規則動詞の過去形とpracticeの使い方【Progress Book1 Lesson10-1】
PROGRESS Book1 Lesson10 シーン1では、規則動詞の過去形が初めて登場します。
「過去形」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、前半はとても素直で分かりやすい単元です。
ここでは、現在形・現在進行形・過去形の比較から入り、規則動詞の過去形のつくり方のルールを丁寧に整理していきます。
規則動詞の過去形の基本と「3つの文」の比較
まずは、同じ動詞 practice を使った3つの文を比較してみます。

Tammy practices volleyball every afternoon.
Tammy is practicing volleyball now.
Tammy practiced volleyball yesterday.
3文とも主語は Tammyで共通です。違っているのは、次の2点だけです。
- 動詞の形:practices / is practicing / practiced
- 「いつ」を表す語句:every afternoon / now / yesterday
動詞 practice は「~を練習する」という意味の他動詞で、その後ろの volleyball が「何を」にあたる目的語です。
さらに、every afternoon / now / yesterday はいずれも「いつ?」を表し、動詞を修飾する副詞(副詞句)として働きます。

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現在形(習慣):「Tammy practices … every afternoon.」
Tammy practices volleyball every afternoon.
「タミーは毎日午後にバレーボールを練習します。」
- practices … 現在形(とくに「習慣」を表す現在形)
- every afternoon … 「いつも午後に」=習慣を表す副詞句
ここでよく話題になるのが「三単現の s」です。
- 三人称単数 … 主語が「その場にいない一人の人(もの)」
例:Tammy(会話に参加していないので「彼女」=三人称) - 現在形の s … 動詞に付く -s(practices)
「三単現」という言い方をすると、主語と動詞をごちゃっとひとまとめにして見てしまいがちです。
しかし、厳密には
- 三人称単数かどうか → 主語の話(Tammy)
- 現在形の s → 動詞の形の話(practices)
というように、主語と動詞の2か所をチェックする必要がある、という点を意識しましょう。
現在進行形:「Tammy is practicing … now.」
Tammy is practicing volleyball now.
「タミーは今、バレーボールをしているところです。」
ここでの大事なポイントは、
- 現在進行形= be動詞 + 動詞の ing形 の2語セット
です。practicing だけを見て「現在進行形」と言ってしまうのは誤りで、
is practicing という 2語のかたまり が「現在進行形」です。
中2以上なら、次の対応も押さえておくとよいでしょう。
- is practicing … 現在進行形
- was practicing … 過去進行形(be動詞が was になっただけ)
つまり、「現在」「過去」といった時制の情報は be動詞側に出る、という見方が大切です。
過去形:「Tammy practiced … yesterday.」
Tammy practiced volleyball yesterday.
「タミーは昨日、バレーボールを練習しました。」
yesterday は「昨日」、つまり今より前に起きたこと=過去を表します。
こうした「過去のこと」を表すときに使うのが、動詞の「過去形」です。
- 動詞の元の形 … 原形(practice)
- 規則動詞の過去形 … 原形+ed(practiced)
この「原形」という漢字は「原っぱの原」と書きますが、もともとの意味は「元の形」です。
つまり、原形=その動詞のいちばん基本の形と考えればOKです。
規則動詞の過去形のつくり方
規則動詞の過去形は、基本的には「原形+ed」で作りますが、
語尾によっていくつかのパターンがあります。
① 基本形:原形+ed
最も基本的なルールは次のとおりです。
- 原形+ed = 規則動詞の過去形
例:
- work → worked
- play → played
まずは「原形+ed」が標準形であることを押さえましょう。
② 語尾が e のとき:d だけ付ける
原形がすでに e で終わっている場合、さらに ed をつけると ee が重なってしまいます。
そこで、
- 語尾が「発音しない e」で終わる動詞 → d だけ付ける
というルールになります。
- practice → practiced(e+d)
- live → lived(e+d)
本来のパターンは「+ed」ですが、
発音しない e がすでにあるのに、さらに e を重ねるのは見た目も発音もわずらわしいため、
d だけを付ける形が採用されていると考えるとイメージしやすくなります。
③ need → needed の注意点:「ed」を書き忘れない
原形 need の過去形は needed です。
need → needed
もともと need は語尾に d を含んでいるので、過去形にすると d + ed となり、
d が続く形(needed) になります。
そのため、
-
本来は needed と書くべきところを
-
うっかり need のまま 書いてしまう(-ed のつけ忘れ)
というミスが起こりがちです。
× need(過去形なのに -ed をつけ忘れている)
○ needed(語尾の d のあとに -ed まで書けている完成形)
テストなどでは、「あれ、ちゃんと -ed までつけたかな?」と一瞬不安になることがあるので、
「need の過去形は必ず needed」 とセットで覚えておきましょう。
④ 語尾が子音+y のとき:y → i にして ed
次は study → studied のパターンです。
- study → studied
教科書などでは、よく次のように教えられます。
- 「子音+y」で終わるときは、y を i にかえて ed を付ける
ここで出てくるキーワードが「母音」と「子音」です。
- 母音(vowel) … 日本語でいう「あ・い・う・え・お」にあたる音
- 子音(consonant) … 母音以外の音(k, t, s, y など)
一見すると、study の y は「あいうえお」ではないので子音に見えますが、英語の歴史的な流れを考えると、もともとは次のようなイメージです。
- 語尾に来る i が見た目として「かっこ悪い」ので、綴りの上では y を使うようになった
- しかし、語尾から外れて(=後ろに ed がついて)しまうときは、元の i に戻す
つまり、より正確に言えば、
- 語尾の y は、本来の i に「戻して」から ed を付ける
という説明になります。
テストでの採点上は「子音+y → y を i にかえて ed」だけ覚えていても点数は変わりませんが、
「y を i に戻している」という意識を持っておくと、英語そのものの仕組みへの理解が深まります。

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進行形とのちがい:前に「be動詞」がいるかどうか
ここまで「過去形」のルールを見てきましたが、進行形との比較も大事です。
- 進行形: be動詞 + 動詞の ing形
例)is practicing / was practicing など - 過去形: 動詞そのものを「過去形の形」に変えるだけ
例)practice → practiced
つまり、
- 進行形では「前に be動詞」が必須
- 過去形では前に何もつけず「動詞の形そのもの」を変える
という違いがあります。
この単元で扱う規則動詞の過去形は、形さえ覚えてしまえば作り方はシンプルなので、
「過去形だからといって、必要以上にビクビクする必要はない」という感覚を持っておきましょう。
PROGRESS ならではの特徴と学習上の心構え
PROGRESS では、わざと「普通ではない」特別な例が最初に出てくることがよくあります。
この単元でも、
- 語尾が e の動詞(practice, live)
- need ~ needed のように綴りミスが起こりやすいもの
- study → studied のように y の扱いが特殊なもの
といった「一工夫いる動詞」が早い段階で登場しています。
日本のテストでは「ルール通り書けていれば点数は同じ」ですが、
授業の中では、
- なぜ「e のときは d だけ」なのか
- なぜ「y を i に戻す」という考え方があるのか
といった言語としての英語の仕組みに触れておくと、
この先の学習がずっと楽になります。
まとめ:規則動詞の過去形は「原形+ed」からスタート
- 現在形・現在進行形・過去形は、「動詞の形」と「いつ?」の組み合わせで区別する。
- 三単現では、
- 三人称単数かどうか = 主語を見る
- 現在形の s が付いているか = 動詞を見る
と、主語と動詞の両方を確認するのがポイント。
- 規則動詞の過去形の基本は「原形+ed」。
- 語尾がeのときは d だけ付ける(practice → practiced, live → lived)。
- need → needed は「ed を書き忘れない」ように要注意。
- 語尾が子音+yのときは「y を i に戻してから ed」(study → studied)。
- 進行形は be動詞+ing、過去形は動詞そのものの形を変えるだけという違いを押さえる。
- PROGRESS では、あえて特例的な形が早めに登場することが多いので、「なぜそうなるのか」までセットで理解していくと力になる。
この単元の「規則動詞の過去形」は、英語の時制の入り口にあたるとても大事なポイントです。
まずは基本のルールと代表例をしっかり押さえ、「過去形=怖いもの」ではなく
「形のパターンを知れば解ける分野」として自信をつけていきましょう。



