動名詞の動詞、前置詞、目的語【Book2 Lesson13 Scene2】
動名詞の基礎
今回は、Book2 Lesson13シーン2における動名詞の動詞や前置詞の目的語について学びます。動名詞とは、動詞の原形に“ing”を付けたもので、名詞の働きができるものです。では、名詞の働きについて五つ言えるようになりましたか?主語、補語、他動詞の目的語、前置詞の目的語、同格の五つです。動名詞はこの五つすべての働きを持つことができます。そのうち主語と補語についてはLesson13シーン1で勉強済みです。
他動詞の目的語
次はシーン2における他動詞の目的語についてです。PROGRESSでは動詞の目的語と呼びますが、動詞は他動詞と自動詞に分かれます。目的語があるのは他動詞であり、他動詞は必ず目的語を持つことが特徴です。したがって、今回は他動詞の目的語と前置詞の目的語の二つを勉強します。まずは他動詞の目的語から始めましょう。
実は不定詞についても勉強しました。例えば、「I like to skate.」(私はスケートをするのが好きだ)という文です。「私」が主語で、“like”が他動詞として使われています。“like”は「何々が好きだ」という意味で、何が好きなのかを目的語で示さなければなりません。
不定詞と動名詞の使い分け
「スケートをする事が好きだ」という場合、目的語は“to skate”または“skating”のどちらでも使えます。動名詞と不定詞のどちらも目的語として使うことができる動詞は少ないため、そこはしっかり覚えておきましょう。シーン2のLookの例文1と2は目的語が動名詞でも不定詞でも使えるパターンです。「I like to skate.」と「I like skating.」はどちらも「SVtO」第3文型の文です。
ここで注意が必要なのは、“skate”という単語がスポーツの名前であるという点です。冬季オリンピックの際にも“skate”という表現が見られますが、英語では動詞としてのみ使います。正しい発音は「スケイト」です。
スポーツ名の使い分け
名詞として「スケート」と言いたい場合、実際には“skating”を使います。動名詞である“skating”はスポーツ名として名詞で使う際も同じです。したがって、“skating”を動名詞として考えた場合は「私はスケートをする事が好きだ」となります。一方で、“skate”を名詞と捉えると「私はスケートが好きだ」となります。この際、注意が必要です。
「私はスケートが好きだ」という訳はあまりおすすめしません。「スケートをするのが好きだ」と「スケートが好きだ」では、意味に微妙な違いがあるからです。最近、大学生と話をした際、「スポーツするのは大好きだけど、見るのはあまり好まない」と言われました。このように、“skating”を動名詞と考えると「スケートをするのが好きだ」という意図が明確になります。
他の動名詞との比較
同様の違いは“ski”と“skiing”にも見られます。“ski”は「スキーをする」という自動詞で、“skiing”が「スキーをする事」という動名詞及び「スキー」という名詞を兼ねます。この使い分けも理解しておくと良いでしょう。
他動詞の目的語と動名詞
他動詞の目的語には不定詞でも動名詞でも使用できるパターンがあります。例えば、以下の文を見てみましょう。
例文の解説
「Chris hates getting up early。」において、“hate”は「何々が大嫌いだ」という意味になります。ここで注意すべきは、「が」という助詞を使うことです。これは他動詞の特徴であり、「何々が大嫌いだ」という形で訳す必要があります。また、目的語に人間が来た場合は、「誰々が憎い」と訳すこともあります。
文の構造
この文では、“Chris”が主語で、“hates”が他動詞です。何が大嫌いなのかというと、“getting up early”です。ここで、他動詞の後ろには必ず目的語が来ることを確認しましょう。目的語は必ず名詞ですから、“getting up early”は名詞として機能し、つまり動名詞であると判断できます。
動名詞と不定詞の使い分け
動名詞は英語で「gerund」と呼ばれ、頭文字を取って「G」と略されます。ここで、「クリスは早起きすることが大嫌いだ」と解釈することができます。つまり、“hate”は「何々する事が大嫌いだ」と訳せます。この動名詞の形に加えて、「hate to 動詞原形」という不定詞の名詞的用法でも同様の意味になります。
最終的に、“Chris hates”は「SVt」構造なので、“O”として名詞が必要です。したがって、“to get up early”は不定詞の名詞的用法であると結論づけられます。この場合、訳はどちらでも同じです。
他動詞の目的語と動名詞の使い分け
では次に、他動詞の目的語が動名詞でありながら不定詞にしてはいけないパターンを見ていきましょう。それがPROGRESSの3番の文です。
例文の解説
“I have to finish drawing these cartoons by tomorrow.”において、“I have to finish”は「私は何々を終わらせなければならない」という意味です。ここで重要なのは、「終わらせなければならない」の部分ではなく「何々を終わらせなければならない」という形で訳すことです。この「を」を使うことで、“I”が主語のあとに“have to finish”が続き、“finish”は他動詞だと理解しましょう。他動詞の後には必ず目的語が来るので、目的語は名詞である必要があります。この文では、“drawing”が目的語として機能し、動名詞であると判断できます。
文の構造と時間関係
“draw”は「何々を書く」という他動詞で、“these cartoons”がその目的語になります。また、“by tomorrow”は副詞的に“finish”に掛かります。したがって、目的語は“drawing these cartoons”となります。この場合、「私は明日までにこれらの漫画を書くことを終えなければならない」という解釈になります。目的語が動名詞である場合、“like drawing”や“hate drawing”のように動名詞と不定詞の両方が使えますが、“finish”の場合は“finish drawing”でなければなりません。
不定詞との違い
この他動詞の使い方について、“want”の場合は不定詞が目的語として使えることに注意が必要です。例えば、“I want to draw these cartoons by tomorrow.”という文では、“to draw”が目的語になります。ここでのポイントは、動詞と目的語の時間的な関係です。“want”の方が描きたいという意志が先にあるため、“to draw”が適切ですが、“finish”の場合は描き終えることが前提となるため、動名詞“drawing”を使う必要があります。
目的語の選び方
多くの学校で、目的語が不定詞か動名詞かを覚えるように言われますが、これは覚えるのが難しいです。重要なのは、他動詞と目的語の時間的な関係を理解することです。動名詞の場合は時間が後、前の場合は不定詞を使います。この原則をまず覚えておくと良いでしょう。動詞の目的語を動名詞か不定詞にしたい場合、時間が後前なら動名詞、前後なら不定詞を使うということです。
不定詞と動名詞の概要
ここでもう一度不定詞と名詞的用法、「to 動詞原形」、動名詞「何々ing」についてまとめたいと思います。名詞の働きについて、主語、補語、他動詞の目的語、前置詞の目的語、同格の5つがあります。他動詞に括弧していますが、普通は単に目的語と言った場合は他動詞を指します。
不定詞の名詞的用法
不定詞の名詞的用法は基本的に主語、補語、他動詞の目的語の3つに使えますが、例外も存在します。前置詞の目的語になる例外や、同格に関しては解釈の違いがあるため、今回は触れません。一方、動名詞は5つの働きすべてに適用できます。
主語と補語の選び方
主語と補語の時は、不定詞と動名詞のどちらを使っても構いません。厳密な区別は存在しますが、大学で英語を専門に学ぶ人にとってのみ重要です。アメリカ人でもこの違いを理解していない人がいます。
他動詞の目的語の使い方
他動詞の目的語の場合、“want to go”と“finish doing my homework”のように、不定詞しかダメ、動名詞しかダメという場合もあります。しかし、“like”や“hate”はどちらでも使用できます。ここで不定詞の名詞的用法と動名詞の区別が面倒です。前置詞の目的語や同格については、動名詞の方だけを考慮すれば良いでしょう。
時間的関係の理解
目的語に不定詞が使われる場合、“want to go”は「行く前に行きたい」という意味になります。“want”が前、“to go”が後です。一方、目的語が動名詞の時はその逆で、“finish doing my homework”は「宿題する事」を終える前に「宿題をする」ことを示しています。ここで「Vt」と「O」で前後の関係を理解することが重要です。
不定詞と動名詞の記憶法
学校では不定詞は未来、動名詞は過去と教わることが多いですが、これは必ずしも正しいとは限りません。重要なのは、「Vt」よりの時点で未来と過去を比較することです。“wanted to go”と言った場合、過去の「行きたい」と思った時からの未来ということになります。
感情と思考の反復
動名詞の大事なポイントは、反復や習慣です。例えば、「ピアノの練習をする」は、“practice playing the piano.”となります。練習は反復が必要です。また、感情や思考も反復するものです。感情は楽しいことを何度も感じることや、思考は試行錯誤を重ねることが基本です。
PROGRESSの基本的な学習法
PROGRESSでは、勉強する際に基本的な部分まで一気に進めることがあります。訳し方を丸暗記するだけならそれほど難しくないからです。しかし、もう少し深く学んでいきたいと思います。まず、Lookに戻ってみましょう。
不定詞と動名詞の基本
“I like to skate.” と “I like skating.” は同じ意味です。「私はスケートをすることが好きだ」という訳になります。ここで、“I”が主語で、“like”は他動詞です。この他動詞の後には、「何々が好きだ」の何々にあたる名詞を続けます。したがって、“to skate” は目的語の名詞で、これは名詞的用法の不定詞です。一方、“skating”も目的語として使われ、名詞(動名詞)としても機能します。「私はスケートが好きだ」という意味にもなります。
中断の使い方と時間的関係
次に見ていきましょう。“They stopped taking pictures.” と “They stopped to take pictures.” という文があります。この2つは異なります。上の文は、「何を止めたのか」というと、“taking pictures”を中断したことを示しています。ここで、“stopped”は他動詞で、動名詞の「中断」は前後の関係が成立します。
一方、“They stopped to take pictures.”は時間関係が逆転します。止める前に写真を撮っていたわけですから、“to take”という不定詞に変わると、前後の関係が逆になるため、この文は意味的におかしくなります。ここで、“to take pictures”は副詞的用法として解釈され、「写真を撮るために立ち止まる」という意味になります。
不定詞の副詞的用法と復習
PROGRESSではさまざまな文法が交互に登場します。このようなときに「何々するために」という不定詞を忘れてしまったり、副詞的用法について思い出せなかったりすることがあります。これは自然なことですので、今一度不定詞の副詞的用法を復習しましょう。
忘れてしまったと気づいたら、その瞬間にもう一度勉強することが大切です。1回や2回の学習で忘れるのは普通のことです。繰り返し勉強することで、徐々に忘れなくなります。思い出せないときはその場で復習するのが最も効果的です。
Lesson13 シーン2: 動名詞の目的語
ここまでは動名詞が他動詞の目的語になっている場合の勉強でした。この他動詞の目的語になる場合の学習が一番難しい理由は、不定詞の名詞的用法を使うべきか、動名詞を使うべきか、またはどちらでもよいのか、あるいは意味が異なる場合もあるためです。ただし、他動詞の前後関係を覚えていれば、意味が異なる場合も難しくありません。ここからは、動名詞が前置詞の目的語になっている場合を学んでいきます。
前置詞の目的語になる動名詞
例えば、PROGRESSの4番にある文を見てみましょう。“The team was proud of winning the championship.” ここでの “the championship” は「大会」と訳しておきます。高校野球なら「甲子園」と訳すのが適切ですが、何の大会か不明なので「大会」にしておきます。「トーナメント」や「リーグ戦」と訳すこともできますが、日本の高校の大会はトーナメント方式が中心で、負けたらその時点で終了という仕組みが問題視されることもあります。対して、海外ではリーグ戦が一般的で、1試合目で負けても挽回のチャンスがあります。この違いは、日本の武士の世の中の影響とも言われています。
be proud of の用法
“The team was proud of winning the championship.” の文に戻ります。“be proud of” は「何々を誇りに思っている」という意味です。この熟語を覚えてください。“of” は前置詞で、“of you” や “of Tom” で使うことには問題ありませんが、“of” の目的語に “winning the championship” を持ってきています。前置詞は名詞の前に置く言葉で、前置詞の後ろには必ず名詞が続きます。
動名詞の必要性
ここで、“win” という動詞を名詞化しなければなりません。名詞化には不定詞の名詞的用法 “to win” または動名詞 “winning” を使います。しかし、前置詞の目的語には動名詞しか使用できません。そのため、この名詞の塊が前置詞の目的語になります。
不定詞が使えない理由
前置詞の目的語に不定詞が使えない理由は簡単です。もし “winning” を “to win” に変えたら “of to win” となり、前置詞が2つ並んでしまいます。したがって、動名詞を使用する必要があります。この理由もぜひ覚えておきましょう。
動名詞の目的語について
PROGRESSを見ますと、4番の文「The team was proud of winning the championship.」があります。ここでは、「be proud of」という熟語が使われており、「何々を誇りに思う」という意味です。そのため、“of” の後には動名詞 “winning” が続きます。この前置詞の目的語に動名詞を使うことを学ぶ際、同時に前置詞で終わる決まり文句も覚える必要があります。
決まり文句の例
例えば、「thank you for」という表現は「何々をありがとう」と訳されます。PROGRESSの148ページでは、4番で「be proud of」の後に「winning」が、5番では「get tired of」で「何々に飽き飽きする」という意味の後に「listening」が続いています。6番は飛ばしますが、7番では「be well known for」が使われ、「何々でよく知られている」という意味です。ちなみに、「よく知られている」ということは「有名」ということなので、「be famous for」と同じ意味です。
動名詞の使用ルール
「of」や「for」の後に動詞を持ってくる場合、前置詞の後の動詞は必ず動名詞となります。この段階で終わらないのがPROGRESSです。次に、6番の文「Jiro got used to attending school in America.」を見てみましょう。この文は「ジローはアメリカの学校に出席することに慣れた」となります。ここでの「got used to」は「何々に慣れる」という意味です。
空欄問題の重要性
テストでは「attending」の部分が空欄になることがあります。例えば、「to attend」という不定詞か、「attending」の動名詞かを選ぶ問題が出ます。この部分を理解しておかないと、試験の際に混乱することがあります。
原形と動名詞の区別
「to」の後に原形を書く必要がある場合、動名詞にするかの判断が必要です。ここで、got usedの意味を考えてみましょう。「慣れる」とは、got usedは過去形で「慣れた」と訳されます。「to」は「何々に慣れた」の「に」であり、「事」ではありません。
理屈を理解する重要性
つまり、toの後が原形か動名詞かを判断する際は、toの意味を考えることが重要です。toが「事」を意味する場合、動詞に-ingを付けることはできません。なぜなら「事」と2回言うことになるからです。一方、普通の前置詞としてのtoの意味なら、動詞に-ingを付けることができます。この理屈を理解しておけば、今後、学校で覚えろと言われたことを考える際に役立つでしょう。