不定詞の名詞用法:補語【Book2 Lesson12 Scene2】
不定詞の名詞的用法の復習
今回は、Book2 Lesson12のシーン2で、不定詞の名詞用法についてさらに深く学習します。まず、名詞の働きを復習しましょう。主語、補語、他動詞の目的語、前置詞の目的語、そして同格の五つがあります。このうち、不定詞の名詞的用法は主に三つの役割を持っています。すなわち、主語、補語、そして他動詞の目的語として使われます。シーン1では、不定詞が主語になる場合を学習しましたが、今回は補語の場合に焦点を当てます。
仮主語としてのit構文
不定詞が補語として使われる際、よく目にするのがit構文です。“It is important to speak slowly and clearly.”を例に説明します。文の主語は“it”ですが、これは仮主語であり、実際の主語は不定詞“to speak slowly and clearly”です。この文を訳すと「ゆっくりはっきりと話すことは大切です」となります。補語が不定詞の場合、これを名詞的用法と呼びます。
第2文型の復習
次に、第2文型を復習しましょう。例えば、“She looks excited today.”という文では、“She”が主語、“looks”が自動詞、“excited”が補語です。この場合、補語“excited”は形容詞ですが、名詞の補語も存在します。“I am a junior high school student.”の例では、“junior high school student”が名詞の補語として使われています。
補語としての不定詞の役割
不定詞が補語として使われる場合、名詞的用法となります。“The important thing is to speak slowly and clearly.”では、“important thing”が主語、“to speak slowly and clearly”が補語となり、「大切なことは、ゆっくりはっきりと話すことです」となります。このように、不定詞が補語として使われる場合、形容詞的用法ではなく名詞的用法として考えます。
名詞的用法と形容詞的用法の違い
補語が不定詞の場合は名詞的用法と覚えておきましょう。形容詞的用法は名詞を修飾する際に使われますが、補語として使われる場合は名詞的用法です。この区別をしっかり理解しておくことが重要です。
まとめ
不定詞の名詞的用法は、主語、補語、他動詞の目的語として使用されます。特に補語としての不定詞は、名詞的用法として覚えておきましょう。今回のレッスンで扱ったポイントをしっかり復習し、実際の英文に応用してみてください。
1. 文の復習
次は3番の文です。
“She seems to be excited today.” ここで、PROGRESSの上二つのうちの二つ目の文、第2文型の復習になります。この文をもう一度持ち出しましょう。
“She looks excited today.” “She”が主語、”look”という動詞を見て「見る」と思う人がいますが、“look”は「何々に見える」が優先です。
2. 動詞「look」と「seem」
“look”の次に”at”という前置詞があってlook atになっていたら「何々を見る」が優先です。
“look”だけの時は「何々に見える」という意味の自動詞、こちらが優先です。
“look”のあとに補語がきて「look 補語」で「何々に見える」という構造になります。補語は形容詞か名詞です。
“excited”は元々過去分詞ですが、今は形容詞と考えて下さい。「彼女は今日興奮している。」または「ワクワクしているように見える。」です。「ワクワクしている」のは誰か?「彼女」です。つまり、“She=excited”という関係が成り立ちます。
3. 「seems to be」の解釈
“She seems to be excited today.” は「彼女は今日興奮しているように見える。」という意味です。
“She”が主語で、今日はPROGRESSで不定詞を補語と考える場合、この文は“She seems”、“to be excited”が補語の名詞になります。
“today”は副詞です。ただし、“to be”がなくて“She seems excited.”でも構いません。
4. 他の例文
次に、4番の文に移ります。“Two students seem to be absent today.” こちらの文も同様に、「2人の生徒は今日欠席しているように見える。」という意味です。
“Two students”が主語で、“to be”から補語の不定詞と考えれば、“seem”が自動詞で“to be absent”が補語の名詞です。
この文も“Two students seem absent today.”と表現できます。ここでは、“seem”が自動詞、“absent”が補語となります。
5. 分詞形容詞について
3番と4番の文を持ち出した理由は、“excited”が形容詞という点が分かりにくいと感じる人もいるかもしれません。
“absent”は明らかに形容詞ですが、“excited”は元々過去分詞ですが、ネイティブの人々は形容詞としてしか認識していない場合が多いです。
高校生の方で分詞形容詞が分からない人もいるかもしれません。
分詞形容詞と言われたら、“excited”は元々過去分詞であった事を忘れられ、形容詞としか思われていません。
現在分詞から出来た分詞形容詞の例として“interesting”があります。これも元々は動詞“interest”の現在分詞です。
最終的には、“excited”も“absent”も普通に形容詞として理解しておけば大丈夫です。元々過去分詞であることが気になる方は分詞形容詞と呼びましょう。
補語の不定詞について
では、補語の不定詞についてスライドを一つ進めましょう。5番の文です。
“It doesn’t seem to be raining any more.”
もう先に訳を書いておきました。「もはや雨は降っていないように思われる。」ですが、“It”と“to be”を見て「It to」構文とか仮主語、真主語だと決め付けちゃう人が結構います。実は“to be raining”が重要です。ここで“be raining”は進行形です。
現在進行形と原形の混同
進行形とだけ言っていますが、生徒さんの中にはこれを現在進行形と呼ぶ人もいます。なぜなら、“to be”の“be”は原形だからです。原形の“be”は現在形とも過去形とも言えません。したがって、現在進行形とも過去進行形とも呼ばないでください。
“to be raining”の正体
“to be raining”は進行形の不定詞ですが、元々は“rain”という動詞の進行形です。動詞“rain”の主語は“It”です。この“It”は天候を表すものであり、仮主語ではありません。高校生になると非人称の“It”という概念を習いますが、中学生はこの“It”を天気の主語として理解しておけば良いでしょう。
自動詞と補語
“doesn’t seem”の“seem”は自動詞と覚えておいてください。「何々に見える」という意味です。“to be raining”は補語であり、補語の名詞的用法です。自動詞の後には目的語はなく、補語だけが来ます。補語が不定詞なら名詞的用法です。
文の否定形と訳
「もはや雨は降っていないように思われる。」という訳に疑問を持つ人もいるかもしれません。“doesn’t seem”なので「思われない」と考えるのも正しいのですが、英語では「もはや雨が降っているようには思えない」と訳すこともできます。ただし、「もはや雨が降っていないように思われる」という表現が一般的です。
英語では否定語はできるだけ前に出すことが基本です。したがって、“doesn’t seem”の方が普通の言い方です。この点をしっかりと覚えておいてください。