不定詞の形容詞法【Book2 Lesson6 Scene3】

不定詞の形容詞用法について

今回は、Book2 Lesson6シーン3において、不定詞の形容詞用法に焦点を当てます。PROGRESSの中で、形容詞の使い方に慣れている方もいれば、Lookの英文が長くて分かりにくいと感じる生徒もいます。そこで、最後の4番の文を短くしたものを例に挙げてみましょう。

“Can I borrow a book to read?” この文では、“to read” がなかった場合、「私は本を借りることができますか?」という質問です。しかし、“to read” が追加されると、「本を借りて読むことができますか?」という意味に変わります。これは“a book” が名詞であり、その後ろの“to read”“a book” を修飾する形容詞となっています。

英語では名詞の後ろに名詞を修飾する形容詞が続くことがデフォルトです。特に形容詞が2つ以上の場合は、確実に名詞、形容詞の順番になります。形容詞が1つの場合は前にくることが多いです。「to 動詞原形」は常に2単語で構成されるため、これを形容詞として使う場合は名詞の後ろに配置されます。

不定詞が名詞の後ろにある場合、形容詞的用法である可能性が高いです。形容詞的用法が分かりにくい場合は、名詞の次に不定詞がある瞬間に、それが名詞を修飾する形容詞であると仮定してみてください。適切な訳し方ができない場合は、別のアプローチを考えてみましょう。


“a book to read”

この表現において、“to read”“a book”を修飾します。しかし、「to」があるのはあまり気にせず、“read”は「読む」を指します。したがって、「読む本を借りられますか?」と訳すことができます。ただし、一部の先生は「読む本」と訳すと不満を抱くことがあります。“read”が「読む」、“a book”が「本」、“to”を訳さないという点に難癖をつけ、「読む為の本を借りられますか?」と“to”を「為の」と訳すよう求めることもあります。他にも「読むべき本」と訳すことも提案されますが、PROGRESSによれば、これらの形容詞的用法においては「するべき」「する為」よりも「する」が優先されるとされています。

皆さんはどう思いますか?普段、「読む本借りられますか?」を「読む為の本を借りられますか?」と一から言いますか?おそらくそうではないでしょう。したがって、英語を訳す際には、普段使いの日本語に訳すことで英語を特別視しないようにしましょう。具体的な例として、「読むべき本借りられますか?」も考えられますが、これは課題図書などに関連する場合に使用する表現です。ただし、注意が必要で、例えば夏休みに課題図書がある場合、「べき」を使って「私には8月中に読むべき本がある」といった表現が適しています。ですから、「為の」とか「べき」を付けるなと言っているのではなく、本当に必要なときだけ付けるように心がけましょう。


“Can I borrow a book to read?”

“Can I borrow a book to read?”は分かりましたね?これで「本借りられますか?」になります。最後の“a book”が名詞です。名詞の次に不定詞があったら、もう修飾です。「読む本借りられますか?」それがPROGRESSでは“a book to read”のあとに“while I wait”と続いています。これが分かりにくいという人が結構いらっしゃるかも知れませんので、ささっと説明します。

“while I wait”の補足

これ「本」ですが、少なくとも「読む」が「本」に掛かるのは皆さん納得すると思います。じゃあ「待っている間」、この「待っている間」というのは実は「読む」を修飾します。この場合は「読む」は動詞だと思って下さい。「待っている間読む」で一つ形容詞です。“to read while I wait”で一つの形容詞です。PROGRESSはこういうのを例文にぶっこんできますからちょっと分かりにくいんです。だから”while I wait”のない方で最初に説明しました。実は不定詞というのは「to 動詞原形」で始まります。形容詞的用法でも動詞兼形容詞なんです。“to read”“while I wait”に対しては動詞です。“a book”に対しては形容詞です。形容詞と副詞半々、そう思って下さい。


“Let’s get something to eat.”

後半の不定詞がある部分だけに焦点を当てます。“Let’s get something to eat.” では、“something”は名詞です。名詞の後に「to V原」を見たら名詞、形容詞かなと考えます。「何か食べるもの手に入れようぜ。」と言っている訳です。

これに関しては、下の文をよく習うのにこっちがないという例もありますが、“I would like something cold to drink.” でも同じような構造です。“something”が名詞で、「何か冷たい飲みものが欲しい」という感じです。

“something”に掛かる形容詞は1語でも後ろに配置され、“cold”がまず掛かっています。そして、“to drink”“something”に掛かります。つまり、“something”の後ろに形容詞が2個付いていると考えられます。“something to drink cold” とは言えません。

不定詞 “something to drink cold” においては、「something 形容詞」という形容詞的用法の順で、これで「私は何か冷たい飲みものが欲しい」となります。注意が必要ですが、「欲しい」というと“want”がありますが、“would like”の方が丁寧な表現です。無理に“want”を使うと上から目線になるかもしれません。

ついでに覚えておきましょう。“something to V原” は「何かほにゃらなほにゃらするもの」となり、「何か冷たい飲みものが欲しいです。」と思って下さい。

 

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