英語の形容詞と副詞の違いと見分け方|訳し方まで一気に整理【中学生・高校生向け】

すぐ確認:形容詞と副詞の違いは「修飾先」で決まる(1分)

結論:形容詞は名詞にかかる/副詞は名詞以外(動詞・形容詞・副詞・文全体)にかかる。迷ったら、まず何を修飾しているかを先に決めます。

迷い(検索意図) 正解の考え方 例(本文で扱う語) 注意
副詞と形容詞の違い 「名詞を説明している?」なら形容詞。「動作・様子・程度」を説明しているなら副詞。 good(形)/well(副) 日本語の訳の自然さより、まず修飾先で判定。
good / well good=形容詞(名詞を修飾)/well=副詞(動詞を修飾)が基本。文の形で決める。 Nancy sings very well. get + 形容詞の形では、well が形容詞になる例がある。
-ly の有無 -ly は「手がかり」止まり。文中で何を修飾するかで最終判断する。 kind → kindly/week → weekly -ly が付いても必ず副詞とは限らない(weekly など)。
fast / early 形が同じでも、役割は文中で決まる(名詞にかかる→形容詞/動詞などにかかる→副詞)。 fast/early 「〜い」か「〜く/〜に」かの訳に引っ張られすぎず、修飾先を見る。

判定の手順(最短3ステップ)

  • ① 修飾先は名詞か?(名詞なら形容詞の可能性が高い)
  • ② 動詞・形容詞・副詞にかかっていないか?(かかっていれば副詞の可能性が高い)
  • ③ -lyは「手がかり」止まり。つづりではなく文中のはたらきで確定する

よくある誤解(ここだけ2つ)

  • -ly が付かない副詞もある(fast / early などは形が同じでも役割で決まる)。
  • well は副詞だけではない(get + 形容詞の形では「健康な」の形容詞になる例がある)。

このあと本文で、good/well → -ly → fast/early → 入試問題 → まとめの順に確認できます。

形容詞と副詞の「本当の違い」を押さえよう

このページでは、中学英語のつまずきポイントになりやすい「形容詞」と「副詞」について、
代表的な例である good / well, fast / early などを使いながら、品詞の違いと訳し方、そして入試・定期テストでの狙われ方まで整理します。

動画解説(形容詞・副詞1~3)とあわせて学習すると、「なんとなく訳せる」から「文法的にも自信をもって読める」状態に近づくことができます。

形容詞・副詞1:good と well から考える基本

動画:形容詞・副詞1

まずは動画で全体像をつかみましょう。

https://youtu.be/rs6BOE6_y2c

Part1 形容詞と副詞の違い(good / well)

Nancy sings very well.

この英文を日本語にしてみると、多くの場合、次の2つが思い浮かびます。

  • ナンシーは歌うのがとてもうまい。
  • ナンシーはとても上手に歌う。

どちらも意味としては正しい日本語ですが、形容詞と副詞の違いを意識して学ぶときには、

  • × ナンシーは歌うのがとてもうまい。
  • ◎ ナンシーはとても上手に歌う。

と訳した方が、品詞の役割が見えやすくなります。

英文の「どこからどこまで」を意識して訳す

同じ英文でも、訳し方には違いがあります。

Nancy sings very well.
  • 「ナンシーは歌うのがとてもうまい。」
    … 英語の語順どおり、Nancy → sings → very well の順に訳した日本語。
  • 「ナンシーはとても上手に歌う。」
    Nancy → very well → sings のように、主語を訳したあと、動詞以降を後ろから前に訳し上げている日本語。
Nancy / sings very well
主語(S) / 動詞(V)

文法を正確に理解するには、主語を訳したあと、動詞より後ろは「後ろから前へ」訳し上げていく感覚が大切です。

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good と well の品詞の違い

同じ意味グループの単語でも、形容詞と副詞で形が変わるものがあります。

good … よ、うま、上手・上手(=形容詞)
well … よ、うま、上手(=副詞)

同じ「うまい/上手だ」というイメージを持つ語でも、
名詞を修飾するときは good(形容詞)、動詞などを修飾するときは well(副詞)になります。

文を書き換えて違いを確認する

先ほどの文を、名詞を修飾する形に書き換えてみます。

Nancy is a very (   ) singer.

ここに入るのは、

Nancy is a very good singer.

となります。なぜ well ではなく good なのかというと、

  • singer が名詞 → 名詞を修飾するのは形容詞good を使う
  • sings very well の well は、動詞 sings を修飾 → 副詞 を使う

訳し方も次のように対応します。

Nancy sings very well.
ナンシーはとても上手に歌う。
Nancy is a very good singer.
ナンシーはとてもうまい歌手だ。

ここで「ナンシーは歌うのがとてもうまい。」と訳してしまうと、どちらも「うまい」に聞こえてしまい、good と well の役割の違いが見えにくくなってしまいます。
文法を意識したい場面では、「上手に」「うまい」など日本語の言い分けを工夫することも大切です。

形容詞と副詞の役割を図で確認

単語を品詞ごとに色分けし、どの語を修飾しているかを矢印で示すと、次のようなルールが見えてきます。

『Nancy sings very well.』という英文が中心に表示されており、形容詞 'good' と副詞 'well' の違いを解説するスライド。

形容詞:名詞を修飾
副 詞:名詞以外を修飾

名詞以外とは、具体的に次の4つです。

  • ① 動詞を修飾
  • ② 形容詞を修飾
  • ③ 副詞を修飾
  • ④ 文・節全体を修飾

形容詞と副詞2:well が形容詞になる場合

動画:形容詞・副詞2

Part2 well の形容詞用法と比較級・最上級

「well」は通常副詞として扱われますが、形容詞になる場合もあります。

He will get well soon.

訳は「彼はすぐによくなるだろう。」ですが、品詞を考えるときに混乱しやすい例です。

get + 形容詞:状態の変化を表す

次の文と比べると理解しやすくなります。

He got angry.

これは「彼は怒り出した」「彼は怒っている状態になった」という意味で、
get + 形容詞 が「〜な状態に変化する、〜になる」を表しています。

形容詞が名詞を修飾すること、副詞が名詞以外を修飾することを示す色分けされた図。

get + 形容詞 = 「〜な状態に変化する、〜になる」

このルールを踏まえて、

'get'+形容詞の構造を説明するスライド。例文として 'He will get well soon.' が使用され、形容詞 'well' の用法が示されている。

He will get well soon.

この well は「よく」の副詞ではなく、「元気な・健康な」という形容詞です。
したがって、意味は「彼はもうすぐ健康な状態になるだろう。」となります。

good / well のまとめ(品詞と意味)

good …【形容詞】 よ、うま、上手・上手
well …【副詞】 よ、うま、上手
    【形容詞】 元気、健康

このように、同じつづりでも品詞によって意味が変化する単語は、入試でもよく狙われます。
例文とセットで覚えておくと、読解でも文法問題でも役立ちます。

形容詞・副詞の比較級と最上級

形容詞・副詞には、比較級(〜er / more 〜)最上級(the 〜est / the most 〜)もあります。

'good' と 'well'、'fast' と 'slow'、'early' と 'late' のような形容詞と副詞の比較を一覧表にしたスライド。

不規則変化(good → better → best など)も含めて、一覧表ごと覚えてしまうと後々ラクになります。


形容詞と副詞3:fast / early と -ly のつき方

動画:形容詞・副詞3

https://youtu.be/Q0nNF1HnGqc

Part3 fast / early など、形容詞でも副詞でも同じ形の語

速さを表す fast、時間を表す early などは、形容詞・副詞の形が同じです。

fast …【形容詞】 速 ⇔ slow …【形容詞】 遅
    【副 詞】 速 ⇔ slowly …【副 詞】 遅

early …【形容詞】 早 ⇔ late …【形容詞】 遅
    【副 詞】 早 ⇔ late …【副 詞】 遅

日本語と対応させるときは、「〜い」なら形容詞、「〜く/〜に」なら副詞という感覚も意識しておくと、文中でのはたらきが見やすくなります。

-ly のつき方に注意:形容詞+ly だけではない

形容詞+ly ⇒ 副詞

代表的なパターンは次のとおりです。

  • kind 【形容詞】 親切、優し
    ⇒ kindly 【副 詞】 親切、優し
  • happy 【形容詞】 嬉し、幸せ
    ⇒ happily【副 詞】 嬉し、幸せ

ただし、-ly がついたからといって必ず副詞とは限りません。

名詞+ly ⇒ 形容詞
  • week 【名詞】週
    ⇒ weekly 【形容詞】毎週

このように、品詞は「つづり」だけで決めつけず、文中で何を修飾しているかをセットで確認することが大切です。


入試レベルの問題で確認:friendly が答えになる理由

例題

次の英文の(   )に入れるのに最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

Thanks to their (   ) comments after my presentation, I felt very relieved.

  1. friendly
  2. nicely
  3. properly
  4. warmly

訳は、

「私のプレゼンの後の彼らの(   )コメントのおかげで、私はとてもホッとした(救われた気がした)。」

となります。ここでポイントになるのは、

  • comments が名詞
  • (   )に入る語は comments を修飾している
  • つまり、必要なのは名詞を修飾する「形容詞」

選択肢を見ると、

  • ① friendly …【形容詞】親しみやすい、好意的な
  • ② nicely / ③ properly / ④ warmly … いずれも【副詞】の使い方が中心

よって、名詞 comments を修飾できる形容詞は①のみなので、正解は ① friendly となります。

文頭の副詞句とコンマの関係

【副詞】句・節 , SV〜.(完全文)

副詞句が '副詞句+,+SV~' の形をとることを示す具体例。コンマの役割を強調。

文頭に「いつ・どこで・なぜ」などを表す副詞句・副詞節が来るとき、
「副詞句(節)+ , + S V …」という形になりやすい、というルールも覚えておきましょう。


「形容詞1語/2語以上」と語順のルール

形容詞の語順ルール

形容詞1語 + 名詞
名詞 + 形容詞2語以上

形容詞が1語の場合は名詞の前に置き、2語以上の場合は名詞の後ろに置くルールを解説。

日本語では「形容詞+名詞」(例:親切な人)の形が基本ですが、英語では、

  • 形容詞が1語なら名詞の前(a kind person)
  • 形容詞が2語以上なら名詞の後ろ(a person kind to me など)

というパターンが多くなります。
長文で「名詞+形容詞2語以上」の形を見たときに戸惑わないよう、このルールもセットで覚えておきましょう。

比較級・最上級の確認

形容詞や副詞の比較級と最上級をまとめた表。例: 'good, better, best'。

good / well / fast / early などの比較級・最上級も合わせてチェックしておくと、読解問題や文法問題で武器になります。

長文読解が「なんとなく訳せている」のに文法問題だけ苦手、という人は、
文法(品詞・語順)のルールを頭に入れた上で長文に当てはめて読む練習をすることで、両方の力を同時に伸ばしていくことができます。

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まとめ:形容詞と副詞を「意味」と「はたらき」でつなげる

  • 形容詞は名詞を修飾、副詞は名詞以外(動詞・形容詞・副詞・文全体など)を修飾する。
  • good / well のように、形容詞と副詞で形が変わる単語に注意する。
  • well には「元気な・健康な」形容詞の意味もあり、get well のように「状態の変化」を表すときに使われる。
  • fast / early など、形容詞と副詞が同じ形の単語もあるので、文中での役割を見て判断する。
  • -ly がついていても必ず副詞とは限らない(weekly は形容詞など)。
  • 文頭の副詞句・副詞節は、「副詞句(節)+ , + S V 〜」の形をとることが多い。
  • 形容詞は、
    • 1語なら名詞の前(a friendly comment)
    • 2語以上なら名詞の後ろになるパターンが多い。
  • 文法問題で迷ったときは、
    • 「この単語は何を修飾しているか?」
    • 「ここで必要なのは形容詞か副詞か?」

    を考えるクセをつけると、選択肢をしぼりやすくなる。

形容詞と副詞の違いが見えるようになると、長文の読みやすさも大きく変わります
動画とあわせて何度か復習し、例文レベルでは「見るだけで品詞と役割がわかる」状態を目指していきましょう。

 

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