疑問詞が主語の疑問文の作り方|主語になる疑問詞と動詞の形・答え方まで整理【Progress Book1 Lesson11-2】
このページでは、Book1 Lesson11 シーン2で扱う、「疑問詞が主語になる疑問文」を詳しく解説します。特に、
- 通常の一般動詞の疑問文と、疑問詞が主語になる疑問文の違い
- 直訳(英語の語順どおりの訳)と意訳(自然な日本語訳)の使い分け
- 三人称単数扱いや
The policeなど、入試に直結する文法ポイント - 疑問詞が主語のときの答え方のルール
を整理していきます。動画の内容をベースにしつつ、復習・自習しやすいように構成し直しています。
疑問詞が主語の疑問文(まず結論:この形だけ)
疑問詞が主語のときは、語順は「疑問詞+動詞」になり、do/does/did は使いません。原則は三人称単数扱い(is/was/動詞+s)で受けるのが安全です。
| 知りたいこと | 結論テンプレ | 例文(形を確認) | よくあるミス |
|---|---|---|---|
| 作り方 (疑問文 作り方) |
疑問詞(=主語)+動詞 do/does/did は不要 |
Who took the money?(× Did who take ... にはしない) |
「疑問文=必ず do/does/did」と決めつける |
| 見分け方 (疑問詞 主語 動詞) |
疑問詞の直後がdo/does/didなら主語ではない。 直後がいきなり動詞なら、疑問詞が主語の可能性が高い。 |
When did you play tennis?(主語=you)What comes after January?(主語=What) |
日本語訳だけで判断して、英語のS/Vが見えなくなる |
| 動詞の形 (疑問詞 三人称単数) |
原則:疑問詞主語は三人称単数として受ける。 → 一般動詞は-s、be動詞はis/wasが基本。 |
What comes after January?(comes)Who is thirsty?(is)What ( ) invented by Edison? → was |
What come ... とsを落とす/「中身が複数っぽい」から were を選ぶ |
| 答え方 (疑問詞 答え方) |
質問文が一般動詞なら、答えは主語+動詞(必要なら過去形のまま)。 質問文がbe動詞なら、答えは主語+be。 ※「didで受ける」かどうかは、質問文の形で決める。 |
Q: Who took the money?A: Tom took it. / He did.
Q: |
何でも Yes, I do. 型で答えようとして崩れる |
本文で迷わない3ステップ(減点を防ぐ順番)
- ① 疑問詞の直後を見る(do/does/did か、いきなり動詞か)。
- ② 主語なら原則三人称単数で受ける(is/was、動詞+s を優先)。
- ③ 訳は最後(まず形でS/Vを確定→そのあと自然な日本語に整える)。
※主語になれる疑問詞は基本 Who / What / Which ですが、「いつも主語」とは限らないので、最後は形で判断します。
ミニFAQ
Q. 「疑問詞が主語」かどうか最速で見抜くには?
A. 疑問詞の直後だけ見ます。do/does/didが来ていれば主語ではなく、いきなり動詞が来ていれば疑問詞が主語の可能性が高いです。
Q. 答え方はどう決める?(didで受ける? beで受ける?)
A. 質問文が一般動詞なら「主語+動詞(必要なら過去形)」、be動詞なら「主語+be」です。まず質問文のVが一般動詞かbeかを見て、型を選びます。
Q. didとdoesの違いで混乱する人は何を基準に整理する?
A. まず「疑問詞が主語ではない普通の疑問文」で使うもの、と整理します。その上で、did=過去、does=三単現の現在。ただしこのページの主題どおり、疑問詞が主語ならそもそも did/does を置かない場面がある、という順番で押さえると混乱が減ります。

1. まずは「普通の疑問文」との違いを押さえる
1-1. 一般動詞の基本的な疑問文パターン
中1〜中2で先に習っているのは、次のような「do / does / did + 主語 + 動詞の原形」というパターンです。
Do you like music?– 「あなたは音楽が好きですか。」Does she like music?– 「彼女は音楽が好きですか。」Did you play tennis?– 「あなたはテニスをしましたか。」
ここでは、
- 文頭の Do / Does / Did が「疑問文のしるし」
- そのあとに主語(you / she など)
- 動詞は必ず原形(like / play など)
というルールで作られていることを確認しておきましょう。
1-2. 疑問詞付きの普通の疑問文
ここに疑問詞(When / What / Where / Why など)が付くと、以下のようになります。
When did you play tennis?
「あなたいつテニスをしましたか。」What do you have in your bag?
「あなたは鞄の中に何を持っていますか。」(直訳)
⇒ 自然な日本語だと「鞄の中に何が入っていますか。」(意訳)
この2つの文では、
- 主語はどちらも
you - 疑問詞(When / What)は主語ではない
という点が重要です。
1-3. 「直訳」と「意訳」を意識して使い分ける
What do you have in your bag? を訳す時、多くの人は最初から自然な日本語だけを考えがちです。
- 直訳 … 「あなたは鞄の中に何を持っていますか。」
- 意訳 … 「鞄の中に何が入っていますか。」
英語の学習では、次の順番を習慣にするのがおすすめです。
- まず直訳をして、英語の S(主語)と V(動詞)を意識する
- そのあとで、日本語として自然な形に意訳する
直訳は日本語として少し不自然でもOK。
「英語の文法どおりに訳した日本語」が直訳です。
そのうえで、読みやすい日本語に直したものが意訳です。
意訳だけに頼っていると、英語の文法構造が見えなくなりがちです。「どうも英語が分からない」という人は、まず直訳する習慣を付けてみると良いでしょう。
2. 疑問詞が主語になる疑問文の基本
2-1. 例文「Who took the money?」

次が、このレッスンの本題です。
Who took the money?
- 直訳 … 「誰がそのお金を持って行ったの?」
- 意訳 … 「そのお金を持って行ったのは誰?」
ここでのポイントは、
- 疑問詞
Whoが主語になっている - その直後に動詞の過去形
tookが来ている did + 主語 + 動詞の原形という形ではない
通常の過去の疑問文なら、
Did he take the money?
「彼はそのお金を持って行きましたか。」
のように Did + 主語 + take となるはずですが、Who が主語のときは、
Who + 動詞(過去形)という形になる
ことをしっかり覚えておきましょう。

英語教室「サポート」の『基礎力徹底講座』:スタートラインはどこでもOK!
2-2. 疑問詞が主語のときの一般形
一般動詞の疑問文は大きく分けて次の2パターンがあります。
- 疑問詞が主語でない場合
⇒疑問詞 + do / does / did + 主語 + 動詞の原形
例)When did you play tennis? - 疑問詞が主語の場合
⇒疑問詞(= 主語) + 動詞
例)Who took the money?
「疑問詞のあとに do / does / did が来ているのか、いきなり動詞が来ているのか」で主語かどうかを見抜きましょう。
3. 主語になれる疑問詞は「Who / What / Which」だけ

3-1. 主語になれる疑問詞と、その注意点
主語として使える疑問詞は3つだけです。
- Who – 「誰が」
- What – 「何が」
- Which – 「どちらが / どの〜が」
ただし、ここで絶対にやってはいけない勘違いがあります。
- 「Who / What / Which = いつも主語」だと覚えてしまうこと
実際には、
- 主語になっているときもあれば、目的語や副詞的な働きのときもある
ので、文の形を見て判断する必要があります。
3-2. 例:「What comes after January?」
次の文を見てみましょう。
What comes after January?
- 直訳 … 「1月のあとに何が来ますか?」
- 意訳 … 「1月の次は何月ですか?」
日本語としては「1月の次は何月?」と聞くのが自然なので、少し違和感があるかもしれません。しかし、英語として重要なのはそこではなく、
Whatが主語になっている- 動詞が
comeではなくcomesになっている
という点です。
疑問詞が主語のときは、その疑問詞を「he / she / it」と同じ三人称単数として扱うのが基本ルールです。
- What comes after January? の
sを忘れやすいので要注意。
同じように、
Who is thirsty?– 「誰が喉が渇いていますか。」(意訳:「喉が渇いているのは誰ですか。」)Who is washing the dishes?– 「誰が食器を洗っていますか。」(意訳:「食器を洗っているのは誰ですか。」)
も、疑問詞が主語 ⇒ is で受ける 形になっています。
4. 三人称単数扱いと「例外っぽく見える」用法
4-1. 「Who are looking for the thieves?」というややこしい例
教材によっては、次のような文が出てきます。
Who are looking for the thieves?
「誰がその泥棒たちを探していますか。」
先ほどのルールどおりなら、
- 疑問詞が主語 ⇒ 三人称単数扱い ⇒
isが使われるべき
なので、文法的に「きれいな形」は Who is looking for the thieves? です。
ところが実際の会話では、「探しているのが複数人だと分かっている」場面では、
Who are looking for the thieves?
のように感覚的に複数扱いをしてしまうことがあります。これは日本語でいう「ら抜き言葉」に近いイメージで、
- 会話ではよく使われる
- しかし、試験(特に大学入試)では減点される可能性がある
と考えておくと安全です。
入試で Who is ... ? と Who are ... ? が両方選択肢にあったら、原則として is を選ぶ 方が無難です。

英語教室「サポート」の『ブレイクスルーゼミ』:弱点探しをサポートします!
4-2. 「What ( ) invented by Edison?」での was / were の選び方
次は実際に大学入試にも出ている有名なタイプの問題です。
前の文:
Edison invented a lot of things.
「エジソンはたくさんのものを発明した。」
これを受けて、
What ( ) invented by Edison?
と問われると、多くの人はこう考えてしまいます。
a lot of thingsだから中身は複数だ- だから
wereを選ぼう
しかし、この文での What は意味的には「たくさんのもの」を指していても、文法上は「何が」=主語です。
- 疑問詞が主語のときは三人称単数扱い ⇒ 正解は
was
「中身が複数だから were」と考えると、文法問題ではひっかけに引っかかりやすくなります。形を優先して判断することが大切です。
4-3. 「The police」は見た目は単数でも意味は複数

次は、The police の扱いに関する典型的な問題です。
The police ( ) the suspect.
the suspect… 「容疑者」(単数)
ここで、「The police」は見た目は単数形に見えますが、意味としては「警察(の人たち)」であり、常に複数扱いになります。
The police are ...が正しい形The police is ...とはしない
選択肢に are looking for と are があった場合、
The police are looking for the suspect.– 「警察の人たちは容疑者を捜している最中だ。」The police are the suspect.– 「警察の人たちが容疑者だ。」(意味が変)
と考えれば、文法と意味の両方から are looking for が正解だと分かります。
ここで大事なのは、
- 「訳して意味で選ぶ」のは最後
- まずは主語と動詞の一致など、文法で候補をしぼる
という順番です。
訳で考えるのは最後です。
まずは英語の文法を当てはめて考えていきます。
この姿勢がそのまま高校入試・大学入試レベルの文法問題につながっていきます。
5. 疑問詞が主語のときの「答え方」のルール

5-1. 「Who took the money?」への答え方
もう一度、次の文を見てみましょう。
Who took the money?
- 直訳 … 「誰がそのお金を持って行ったの?」
- 意訳 … 「そのお金を持って行ったのは誰?」
「トムです」と答えたいとき、多くの人が日本語からそのまま考えて、
Tom is.It was Tom.
などと書いてしまいがちです。しかし、これは元の英文を無視して日本語だけから英作文をしている状態です。
疑問文が「誰が〜したの?」と主語を尋ねているのですから、答えも主語から始めるのが鉄則です。
- 主語を尋ねられたら、返事もまず主語を書く
今回の「犯人」が Some thieves なら、
Some thieves took the money.
となりますが、返事としては動詞部分を did にまとめて、
Some thieves did.
と答えます。
5-2. 一般動詞・be動詞それぞれの答え方
一般動詞のとき:
Who took the money?–Tom did.Who knew the answer?– 「誰がその答えを知っていたの?」
⇒Tom did.
ここでは、
- 主語 + do / does / did の形で答える
do / does / didは、その前に出てきた動詞(took / knew など)を受けている
be動詞のとき:
Who is thirsty?– 「誰が喉が渇いていますか。」
⇒ 「私です。」→I am.
この場合は、
- 主語 + be動詞(am / is / are / was / were) で答える
まとめると、疑問詞が主語のときの答え方は次のようになります。
- 元の文が一般動詞 … 主語 + do / does / did
- 元の文が be動詞 … 主語 + am / is / are / was / were

英語教室「サポート」の『過去問演習講座』:完璧な分析と対策を!
この「疑問詞が主語のときの答え方」は、高校生でもできていない人が多い重要ポイントです。今のうちに身につけておくと、将来かなり有利になります。
6. 学習上の注意とまとめ
6-1. 訳に頼りすぎないことがポイント
訳で考えるのは最後。
まずは英語の文法を当てはめて考えていく。
難しそうな単語が並んでいても、
- 主語と動詞の一致
- 疑問詞が主語かどうか
- 一般動詞か be動詞か
といった文法のルールだけで正解を出せる問題は、入試でも数多く出題されます。単語の意味に自信がなくても、まずは文法で勝負できるということを覚えておきましょう。
6-2. このレッスンで押さえておきたいチェックポイント
- 一般動詞の疑問文の基本形
⇒do / does / did + 主語 + 動詞の原形 - 疑問詞が主語の疑問文
⇒Who / What / Which + 動詞 - 主語になれる疑問詞は Who / What / Which の3つ
- 疑問詞が主語のときは、原則「三人称単数扱い」
⇒What comes after January?,Who is thirsty?など - 会話では複数扱いされることもあるが、入試では「三単現優先」
⇒Who is ... ?を基本形として覚える - The police は常に複数扱い
⇒The police are ... - 疑問詞が主語のときの答え方
⇒ 一般動詞:主語 + do / does / did
⇒ be動詞:主語 + am / is / are / was / were
まとめ
疑問詞が主語になる疑問文は、一見ややこしく見えますが、ポイントを整理するとシンプルです。
- まずは「普通の疑問文」との違いを押さえる
- Who / What / Which が主語になっているかどうかを形で判断する
- 疑問詞が主語なら三人称単数扱い(is / was / 動詞+s)を基本とする
- The police などの特殊な主語は意味で複数扱いと覚えておく
- 答え方は「主語 + do / does / did」または「主語 + be動詞」という型で処理する
- 訳は最後に確認するだけ、まずは英語の語順・文法で考える習慣をつける
こうした視点で例文を分析していくと、「訳す前に答えが出てしまう」タイプの問題に強くなっていきます。ぜひ動画とあわせて何度か読み返し、「疑問詞が主語」のパターンを自分のものにしていきましょう。



