英文法は分かるのに長文が読めない理由|複数の文法を一文で見抜く読み方
英文法は分かるのに長文が読めない理由|複数の文法を一文で見抜く読み方
不定詞、現在完了、関係代名詞など、文法の単元別問題ならある程度解ける。それなのに、長文や模擬試験になると、一文が長くなったところで急に意味が分からなくなる。
解説を読めば「これは知っていた」と思うのに、初めて見る英文では自分で同じ見方ができない。
このような場合は、英文法をまったく理解していないとは限りません。単元ごとに覚えた知識を、一文の中から自分で選び、複数の文法要素を役割ごとに分けるところに難しさがある場合があります。
文法問題集では、「今は不定詞」「今は関係代名詞」というヒントがあります。しかし、テストや模擬試験では、そのような単元名は書かれていません。
文法が複雑に絡み合った英文を読むには、知っている文法を一つずつ思い出すだけではなく、主語・動詞、節、不定詞、目的語・補語、修飾部分などを分けて、文全体の構造を確認する必要があります。
「文法は分かるのに長文が読めない」という場合は、知識量だけでなく、知っている文法を初見英文の中で使えるかを見る必要があります。
単元別問題ではできるのに、長文では何を使えばよいか分からない
単元別の問題が解けるのに長文で分からなくなる大きな違いは、何の文法を使う問題なのかが先に示されているかどうかです。
不定詞のページを解いていれば、to+動詞の原形を見たときに不定詞について考えます。現在完了のページならhave+過去分詞、関係代名詞のページならwho、which、thatなどに注意できます。
つまり、単元別問題では問題集の章そのものがヒントになっています。
ところが、長文では一文の中に複数の文法事項が入ります。「これは不定詞の問題」と決めて読むことはできません。
- 単元名が分かっていれば解けるが、初見では何の知識を使うのか分からない
- 文の前半は読めるのに、途中から主語と動詞の関係が分からなくなる
- 知っている単語ばかりなのに、誰が何をしているのか整理できない
- 解説を見ると理解できるが、自分では同じ区切り方を見つけられない
- 一つの文法だけなら分かるが、二つ以上重なると、それぞれの役割を区別しにくい
この場合、同じ文法問題集をもう一周するだけでは、長文の読み方が変わらないことがあります。
必要なのは、単元ごとに覚えた知識を、単元名のない初見英文の中で選んで使う練習です。
長文では複数の文法を同時に見る必要がある
短い英文なら読めるのに、一文が長くなった途端に分からなくなる場合は、「難しい文法が一つ出てきた」とは限りません。
それぞれは知っている文法でも、同じ一文に入ると、それぞれの役割を区別しにくくなることがあります。
たとえば、次の英文を見ます。
この文を、文頭からすぐ日本語に置き換えようとすると、It、for us、to doの関係を整理しにくくなります。
- 1.まず中心部分を見る
文頭にはItがあり、動詞にあたる部分にはwon’t beがあります。まず文の中心を確認します。 - 2.Itの役割を見る
このItは、単純に「それ」と訳す主語ではなく、後ろの内容を受ける仮主語として考えます。 - 3.後ろのto不定詞を見る
to do these problemsという「これらの問題を解くこと」という内容が後ろに置かれています。 - 4.for usの役割を見る
問題を解くのは誰なのかを見ると、usです。for usは、to doという動作をする人を示します。 - 5.最後に全体の意味へ戻る
構造を整理してから、「私たちがこれらの問題を解くことは難しくないだろう」という全体の意味を確認します。
ここでは、仮主語、後ろのto不定詞、意味上の主語という複数の要素を区別しなければなりません。
大切なのは、仮主語という文法用語を暗記しているかどうかだけではありません。一文の中で、それぞれの部分が何の役割なのかを分けて考えられるかです。
仮主語・真主語・意味上の主語そのものを確認したい場合は、仮主語it・真主語to不定詞・意味上の主語の解説で単元として整理できます。
「知っているのに使えない」場合は、文中で知識を選ぶ練習を確認する
不定詞とは何かを聞かれれば答えられる。OとCの関係も習った。仮主語という言葉も知っている。
それでも模試の英文では分からないのであれば、「英文法を全部忘れている」と決めつける必要はありません。
知識が単元ごとには入っていても、実際の英文を見たときに「今どの知識を使うのか」「どこまでが一つのまとまりなのか」を自分で判断する練習が足りていない場合があります。
解説を読んだあとに理解できたかだけでなく、別の英文でも同じ役割を自分で見つけられるかを確認します。
長い文で主語と動詞を見失うときは、まず一文を部品に分ける
長文を読んでいる途中で「結局、誰が何をしている文なのか」が分からなくなる場合、最初から全文をきれいな日本語に訳そうとしない方が整理しやすくなります。
訳は後回しにして、まず英文の構造を見ます。
確認するときは、次の順番で一文を分けます。
-
SとVを確認する
文の中心になる主語と動詞を探します。長い文でも、まず「誰が・何が」「どうする・どんな状態か」という骨格を確認します。 -
節や不定詞などのまとまりを区切る
接続詞から始まる部分、to+動詞の原形、関係詞から続く部分などを分けます。文中に主語・動詞の組み合わせが複数あるときも、それぞれを別のまとまりとして見ます。 -
OとCなど、動詞の後ろの関係を見る
動詞の後ろに何が置かれ、その語句同士がどのような関係になっているかを確認します。 -
修飾部分を確認する
前の名詞を説明している部分や、動作の様子を付け加えている部分を、文の骨格と分けます。 -
最後に全文の意味へ戻る
何が文の中心で、何が追加説明なのかが見えてから、日本語として意味をつなげます。
一文が長くなったときに読みにくくなる人は、一つ一つの単語の意味より先に、主語・動詞と、それに付け加えられた部分の関係が分からなくなっていることがあります。
知っている熟語や構文が出ても、訳だけで判断しない
たとえば「want+人+to+動詞の原形」を「人に~してほしい」と覚えている場合でも、それだけで長い英文が読めるとは限りません。
初見英文では、覚えた日本語を当てはめるだけでなく、動詞の後ろに何が置かれ、それぞれがどのような関係になっているかを確認します。
この部分の関係そのものを確認したい場合は、want+人+to不定詞でOとCの関係を確認する解説を参照してください。
このページで確認したいのはwantの訳し方そのものではなく、単元として知っている形を、初見英文の中でも同じ関係として見つけられるかという点です。
文法用語は分かるのに読めないときは、「名前」より文中の役割を見る
文法用語を答えられても、長文になると読めないことがあります。
その場合は、文法用語を知らないことよりも、その文法が今読んでいる一文の中で何をしているかが見えていない可能性があります。
たとえば、次のように考えます。
- ここが文全体の主語なのか
- 中心になる動詞はどれなのか
- このto不定詞は文のどの部分に当たるのか
- この名詞は動詞の目的語なのか
- 目的語とその後ろの語にはどのような関係があるのか
- 関係詞以下はどの名詞を説明しているのか
- この語句は文の骨格なのか、説明を付け加える修飾部分なのか
文法名を当てることが目的ではありません。
文法知識を使って、「どこが文の中心で、どこが付け加えられた部分なのか」を見分けるために文法を確認します。
解説を読めば分かるのに初見では読めない場合は、答えを見たあとに文法名を確認するだけでなく、自分で文中の役割を発見できるかを確認します。
今習っている単元が、読めない原因とは限らない
不定詞を含む英文で間違えたからといって、原因が必ず不定詞にあるとは限りません。
そもそも中心の動詞を取り違えていることもあります。名詞と形容詞の役割が曖昧なこともあります。OとCの関係が分かっていないため、その後ろの不定詞まで読み違えていることも考えられます。
そのため、同じ間違いを繰り返す場合は「ケアレスミス」で済ませず、最初にどの判断を誤っているのかを見ます。
必要であれば、今学校で習っている場所より前の文法や語順まで戻ります。
これは、前の学年の内容を最初からすべてやり直すということではありません。今読めない英文に必要な前提を探し、必要なところまで戻って確認するということです。
解説なら分かる人は、初見英文でも同じ見方ができるか確認する
解説を読むと納得できるのに、別の長文ではまた分からなくなる。この場合は、「説明を理解できたか」だけでなく「自力で構造を見つけられるか」を確認する必要があります。
同じ例文をそのまま覚えるのではなく、単語が変わった文や初めて見る文でも、同じ構造を見つけられるかを試します。
- いきなり全文を訳さず、中心のSとVを探す
- 節やto不定詞など、別のまとまりを区切る
- 動詞の後ろにある語句の役割を確認する
- 修飾部分を一度分けて、文の骨格を見る
- それぞれの部分に必要な文法知識を当てる
- 最後に全体の意味へ戻る
この順番で見ると、「長文が何となく苦手」という状態から、何を確認し直す必要があるのかを具体的に考えやすくなります。
読み方から、確認すべき内容を分ける
SとVを見つけにくい場合
一文の中心になる主語・動詞から確認します。長文演習を増やす前に、英文の骨格を取れるかを見る必要があります。
SとVは分かるが、文が長くなると意味を取りにくい場合
節、不定詞、目的語・補語、関係詞以下、修飾部分など、文の中に追加されたまとまりを分けられているか確認します。
文法名は言えるのに意味がつながらない場合
文法用語を思い出すだけでなく、その部分が文中で何の役割をしているのかを確認します。
解説を読むと毎回理解できる場合
同じ説明を覚えるのではなく、単語や文の形が変わった初見英文でも同じ構造を発見できるか試します。
同じ種類の間違いを繰り返す場合
単なるケアレスミスと考えず、その判断に必要な前提知識まで戻って確認します。
「長文をもっと解く」という一つの方法だけでなく、主語・動詞なのか、動詞の後ろにある語の関係なのか、文法知識なのか、修飾関係なのかを分けて考えることで、次に何を練習するべきかが見えやすくなります。
長文で使える文法知識になっているか確認する
単元別問題ができても、単元名のない長文で同じ知識を自分から使えるとは限りません。
中心のSとVを見つけ、節や不定詞、O・C、関係詞、修飾部分を分けたうえで、必要な文法知識を当てられるかを確認します。
単語や文の形が変わった英文でも同じ見方ができれば、「どの文法を勉強し直せばよいか分からない」という状態から、確認すべき内容を具体的に絞りやすくなります。
長文を読んでいるのに点数につながらず、自分では原因を判断しにくい場合
主語・動詞の捉え方なのか、複数の文法が入った一文の読み方なのか、文法知識の抜けなのか、設問への対応なのかによって、確認する内容は変わります。
Eng-Supportのブレイクスルーゼミは、ある程度英語に取り組んでいるのに、長文読解や英作文の得点につながりにくい場合に、理由を確認していく講座です。長文問題の答案や模試結果なども使いながら、どこを確認すべきか整理します。
仮主語やOとCの関係など、特定の文法事項そのものが曖昧な場合は、各単元の解説で前提知識を確認したうえで、単語や形を変えた英文でも同じ構造を見つけられるか確認してください。

