manyのあとは複数形/muchのあとは単数形|迷わない見分け方【Progress Book1 Lesson15-1】

 


30秒でわかる:many と much の違い/much 不可算名詞/many 複数形

結論だけ先に。
many は 複数形(数えられる名詞)に使うことが多く、much は 不可算名詞(数えられない名詞)=見た目は単数扱いに使うことが多いです。
a lot of は 数えられる/数えられないどちらにも使えます。

迷ったときの見分け方:可算/不可算より先に「名詞の形」を見る

「many 単数 複数」で迷うときは、まず名詞が複数形かどうかを見てしまうのが手早いです。
名詞が複数形なら many(例:many books)、名詞が単数の形なら much(例:much water)という目安で、テスト中でも判断しやすくなります。
もちろん細かい例外はありますが、まずはこの“形で決める”方が崩れにくいことが多いです。

よくあるひっかけ:同じ単語でも「数え方」で意味が変わる

たとえば hope のように、状況によって「数えられる/数えられない」の両方になり得る語があります。
こういうときは、悩む前に文中の形で決めるのが安全です:many hopes(複数形が見える)/much hope(単数形でまとまっている)。
「意味の違い」より先に、まず形で確定するとミスが減りやすいです。

このあと本文では、数量表現の出発点として some / any から整理し、そこから many / much に自然につなげていきます。
「どこで迷っているか」を確認しながら読み進めてみてください。


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数量表現の出発点:「some」と名詞の関係

「some」がかかる名詞で訳し分ける

まずは次の文を見てみましょう。

Jiro had some hot dogs for lunch.

この文の some は通常、「いくつかの」と訳します。
ポイントは、後ろに来ている名詞 hot dogs が「数えられる名詞」であり、複数形になっていることです。

  • 数えられる名詞(可算名詞)+ some → 「いくつかの〜」
  • このとき名詞は必ず複数形(-s など)になる

同じ some でも、次の文では訳し方が変わります。

Jiro put some mustard on the hot dogs.

ここでの mustard(からし)は、数えられない名詞(不可算名詞)です。
そのため、some は「いくらかの」と訳すのが自然になります。

  • 数えられない名詞(不可算名詞)+ some → 「いくらかの〜」
  • 不可算名詞には単数形しかない(2つ・3つという数え方をしない)

つまり same「same」でも、後ろの名詞が「可算・複数」か「不可算・単数」かで訳が変わる、ということです。

Sg / Pl の略記に慣れておこう

単数・複数を表すとき、文法説明では次のような略記がよく使われます。

  • Sg = singular(単数形)
  • Pl = plural(複数形)

今後、辞書や解説で目にすることが多いので、Sg=単数、Pl=複数という対応は早めに押さえておきましょう。

否定文・疑問文では「some → any」

数量表現で最初につまずきやすいポイントが、否定文・疑問文での any の登場です。

He doesn’t watch any basketball games on TV.
  • 肯定文:some
  • 否定文・疑問文:any

ここで注意したいのは、any のあとに来る名詞の形です。
basketball games のように、

  • basketball は形容詞的に名詞を修飾
  • 数えられるのは games の部分なので、複数形になる

このように、「some / any」+名詞の形(単数・複数)に常に目を向ける癖を付けておくと、後の many / much の理解もスムーズになります。


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「たくさんの」を表す:many と much の基本

some から many / much へ

先ほどの文

Jiro had some hot dogs for lunch.

は、文脈によっては「ジローは昼食にホットドッグをたくさん食べました。」と解釈することもできます。
この「たくさんの」を英語で表すときに登場するのが、
many / much です。

「many friends」と「much coffee」の違い

次の2つの例文を比べてみましょう。

  • Mr. Brown has many friends in Japan.
  • Do they sell much coffee at that shop?

どちらも日本語にすると「たくさんの〜」ですが、

  • many friends:友達は一人・二人……と数えられるので、可算名詞の複数形
  • much coffee:コーヒーは一杯、二杯…と容器や単位を付けないと数えられないので、不可算名詞

日本の授業ではよく、

  • many + 可算名詞の複数形
  • much + 不可算名詞(単数形)

と教わりますが、実はこの「可算か不可算か」の判断が、日本人学習者にはかなり難しいことも多いのです。


可算名詞・不可算名詞という考え方

countable / uncountable の略記 C / U

英語では「数えられる」「数えられない」を次のように表します。

  • countable(可算) … 数えられる名詞
  • uncountable(不可算) … 数えられない名詞

辞書では、

  • C = countable
  • U = uncountable

の記号で示されることが多いです(記号の前に「□」や「◇」が付く書式もあります)。

un- のイメージに慣れる

un- という接頭辞は、日本語の「不〜」にあたります。

  • happy(幸せな) → unhappy(不幸せな)
  • kind(親切な) → unkind(不親切な)

同じように、countable(数えられる)に un- が付いて
uncountable(数えられない) となる、という流れもセットで覚えておきましょう。

普通名詞・物質名詞・抽象名詞よりも「数えられるかどうか」が重要

名詞の種類としては、辞書や文法書には次のような分類も出てきます。

  • 普通名詞:friend, dog, car など、実体を指し、数えられる名詞
  • 物質名詞:water, coffee, sugar など、液体・粉などで数えにくいもの
  • 抽象名詞:love, friendship, hope など、目に見えない概念

ただ、many / much を選ぶ場面で大事なのは、「物質名詞かどうか」「抽象名詞かどうか」ではなく、最終的に数えられるかどうかです。

  • 数えられる(複数形がある) → many
  • 数えない(単数形しかない) → much

「many / much」を形で判断するコツ

まずは「単数形か複数形か」を見る

日本人にとって難しいのは、「これは可算?不可算?」と意味やイメージから判定しようとするところです。
しかし実際には、見た目(単数形か複数形か)を見ればかなりの部分が判断できます

  • 複数形(-s など)が付いていれば many
  • 単数形なら much

可算か不可算かで迷う前に、名詞の形だけを見て決める練習をしてみましょう。

入試にも出る「hope」の例

次のような問題が大学入試でもよく出題されます。

( ) hope 「多くの希望」

ここで many / much のどちらを入れるか、という問題です。
辞書を引くと hope は「C でも U でも使える」と書かれていて、かえって混乱することもあります。

  • hope(単数形)much hope
  • hopes(複数形)many hopes

このように、まず名詞の形(単数か複数か)で判断すると、迷いにくくなります。


many / much の具体例で定着させる

数えられる名詞に many を使う

  • many sweets … 甘いものをたくさん
  • many hot dogs … ホットドッグをたくさん

いずれも sweets, hot dogs のように、名詞が複数形になっている点が重要です。
many + 可算名詞の複数形 という形を、例文とセットで覚えましょう。

数えられない名詞に much を使う

  • much time … たくさんの時間
  • much water … たくさんの水
  • much coffee … たくさんのコーヒー

time や water, coffee は、向こうの人の感覚では「いったんかたまりとして」数えない名詞として扱われます。
そのため、much + 名詞(単数形) の形を取ります。

「too many / too much」で「〜しすぎ」を表す

many / much に too を付けると、「多すぎ」というニュアンスになります。

  • too many hot dogs … ホットドッグが多すぎる
  • too much juice … ジュースを飲みすぎ

このときも、

  • too many + 可算名詞の複数形
  • too much + 不可算名詞(単数形)

という形そのものは変わりません。
too が付いても many / much の使い分けのルールはそのままだ、という点を押さえておきましょう。


日本語と英語の「たくさん」のズレ

日本語の「たくさん」は1語ではない

日本語では、友達でもコーヒーでも希望でも、まとめて「たくさん」と表現できます。
一方で英語では、

  • many friends / many dogs / many sweets
  • much coffee / much time / much hope

のように、名詞の性質によって many / much を使い分けなければなりません。

英語の「some」は、日本語では「いくつか」と「いくらか」に分かれる

逆に、英語の some は 1 語でも、日本語では

  • いくつかのホットドッグ(数えられるもの)
  • いくらかのマスタード(数えられないもの)

と訳し分ける必要があります。
日本語と英語は一対一で対応しない、ということを前提に、
その言語ごとの「形」と「ルール」で覚えていくことが大切です。


まとめ:形を見て「many / much / some / any」を選ぼう

  • some は「いくつかの」「いくらかの」を表すが、後ろの名詞が可算複数か不可算単数かで訳が変わる。
  • 否定文・疑問文では some → any に変わる。any のあとは、可算なら複数形、不可算なら単数形。
  • many は「たくさんの」+ 可算名詞の複数形、much は「たくさんの」+ 不可算名詞(単数形)。
  • 可算 / 不可算で迷う前に、名詞が単数形(Sg)か複数形(Pl)かを先に見ると判断しやすい。
  • hope のように C/U 両方の性質を持つ名詞でも、hope → much hope / hopes → many hopes のように形で決められる。
  • too many / too much は「〜しすぎ」を表すが、many / much の使い分けのルール自体は変わらない。
  • 日本語の「たくさん」は 1 語だが、英語では many / much に分かれる。逆に英語の some は、日本語では「いくつか」「いくらか」に分かれる。

数量表現は、「意味」だけで覚えようとするとどうしても混乱します。
まずは名詞の形(単数・複数)と、後ろに続く名詞の種類に注目して、
形から機械的に選べるレベルまで練習していきましょう。

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