英語長文は読めるのに設問で点が取れない中学生へ|原因の見分け方と直し方
英語長文は読めるのに設問で点が取れない中学生へ|原因の見分け方と直し方
英語長文を読んだあと、「だいたい内容は分かった」と思う。それなのに、定期テストや模試では設問を間違える。選択肢を二つまで絞って外したり、記述問題で聞かれていることと少しずれた答えを書いたりする。
こういう場合、すぐに「もっと長文を読まなければ」と考える必要はありません。
最初に確認したいのは、本当に読めているのか、それとも読めているつもりになっていないか、ということです。
中学生の定期テストや模試で、長文の内容は追えているのに設問で点にならない理由は、一つではありません。文法が十分に身についていない場合もあれば、一文の構造を正確に取れていない場合もあります。
また、本文そのものはある程度読めていても、設問が求める条件を確認していなかったり、答えの根拠を本文中で確かめないまま選択肢を決めていたりすることもあります。
このページでは、一般的な「英語長文の読み方」を説明するのではなく、本文の意味は分かるのに、なぜ設問の正解まで届かないのかを分けて考えます。
「本文を読めたこと」と「設問に正しく答えられること」は同じではありません。一文の構造、段落の要点、設問の条件、本文中の根拠、選択肢や記述との対応のどこでずれているかを見る必要があります。
「読めた」の基準をいったん疑う
長文問題を解いたあとに「本文は読めましたか」と聞かれれば、「だいたい分かりました」と答えられることがあります。
ただ、この「分かった」がどの程度なのかは、もう少し細かく確認したほうがよいでしょう。
- 知らない単語はあったが、話題は分かった
- 日本語にすると何となく意味が通った
- 登場人物が何をしたかは分かった
- 文章全体の雰囲気はつかめた
これらも読解の一部です。しかし、テストの設問に正確に答えるには、それだけでは足りないことがあります。
たとえば一文について、「主語はどれか」「中心になる動詞はどれか」「このto不定詞は何をしているのか」「この代名詞は何を指しているのか」と聞かれたときに説明できないのであれば、内容の雰囲気はつかめていても、英文の構造まで正確に読めているとは限りません。
長文になっても、一文一文を作っている文法や文構造がなくなるわけではありません。読みづらい一文では、すぐに日本語訳を作ろうとするよりも、まず語句の役割や文の組み立てを確認します。
複数の文法事項が一つの英文に入ったときに、それぞれの役割を分けて考える例は、仮主語itと真主語to不定詞を整理する解説でも確認できます。
「長文は読めるのに点が取れない」と感じているときほど、長文全体だけを見るのではなく、実際には一文をどこまで正確に処理できているかを確認することが大切です。
一文を説明できるかで確認する
間違えた問題に関係する英文や、読みづらかった一文を選び、次のようなことを説明できるか確認してみてください。
- 文の中心になる主語と動詞はどれか
- どこがまとまりになっているか
- 修飾している語句が何にかかっているか
- 代名詞が何を指しているか
ここで説明できなくなるなら、「読めている」という感覚と、実際の英文処理にずれがある可能性があります。
本文理解と設問正答は別
反対に、一文一文の意味はかなり取れているのに、設問で間違えることもあります。
この場合に確認したいのは、英文の意味だけではなく、設問が何を答えとして要求しているのかです。
たとえば本文の出来事を理解していても、設問が「その理由」を聞いているのに出来事そのものを書けば正解にはなりません。「本文の内容と一致するもの」を選ぶ問題で、自分の知識や常識からもっともらしい選択肢を選んでも同じです。
- 本文を理解する:英文が何を述べているかをつかむ
- 設問に答える:設問の条件に合う根拠を本文から見つけ、答えの形にする
「本文が分かったのだから問題にも答えられるはず」と考えると、この二つの間にある確認が抜けやすくなります。
設問を読んだら、何を答える問題かを決める
選択肢を見る前に、「この問題では何を答えればよいのか」を短く言える状態にします。
見るのは、誰について聞いているのか、理由なのか結果なのか、本文との一致を確かめるのか、下線部の具体的な内容を説明するのか、といった条件です。
ここが曖昧なまま答えを探すと、「本文に書いてあった気がする」という印象で選択肢を決めやすくなります。
原因を文法・構造・読み方に分ける
「長文の内容は分かるのに点が取れない」という結果だけを見ても、何を直せばよいかは決まりません。
文法不足、文章構造の取り違え、漫然と訳すだけの読み方、設問条件の見落としなど、正解まで届かない理由はさまざまだからです。
ここを分けずに「長文が苦手だから長文問題をもっと解く」と進めても、同じところで間違い続けることがあります。
1.文法の知識が途中で抜けている
不定詞、関係詞、接続詞、受動態などが実際の英文の中に入ったとき、その働きを認識できなければ、一文の意味を正確に取れないことがあります。
この場合、今学校で習っている単元だけを復習すればよいとは限りません。
表面上は不定詞の文でつまずいていても、実際には主語と動詞の区別や、目的語・補語といった前の理解まで戻る必要があることもあります。
今の単元だけを見て原因を決めるのではなく、どこまで戻れば、その英文を自分で説明できるようになるのかを見ます。
2.単語の意味は分かっても、文構造を追えていない
単語を順番に日本語へ置き換えるだけでも、短い英文なら意味が通ることがあります。しかし、文が長くなると、どの語とどの語がつながっているのかを見なければ、意味がずれていきます。
読みづらい文では、訳を急ぐより先に、主語・動詞・修飾関係・接続関係などを確認します。
構造を確認してから意味を取れば、「何となくこういう意味だろう」と当てにいく読み方になりにくくなります。
3.一文ずつ訳して終わっている
一文ごとの日本語訳ができても、段落全体で何を述べているのかが曖昧なままだと、設問に必要な情報へ戻りにくくなります。
細かい訳を全部覚える必要はありません。読んだあとに、その段落が「何について何を言っているのか」を短く説明できるかを確認します。
設問を見たときに、「この話ならこの段落だった」と戻れる状態を作るためです。
4.設問での間違いを「ケアレスミス」で終わらせている
一度だけの読み違いや見落としなら、単純なミスの場合もあります。
ただし、同じ種類の間違いが繰り返されるなら、「次は気をつける」で終わらせないほうがよいでしょう。
設問条件を何度も読み落とす、代名詞の指す内容を取り違える、長い文になると主語と動詞が分からなくなる。こうしたことが続くなら、その前提となる理解や確認の仕方が定着しているかを見る必要があります。
「長文が苦手」でまとめないことが大切です。どの英文をどう読み、設問をどう受け取り、どの根拠から答えを決めたのかまで分けると、直すべき場所が見えやすくなります。
根拠を本文中に戻して確認する
本文内容は追えているのに設問でずれる中学生の場合、読み終えたあとの記憶だけで答えを決めていないかも確認します。
長文問題では、「そんなことが書いてあった気がする」ではなく、その答えになる根拠を本文のどこに置くのかを見ることが大切です。
選択問題なら、正解らしいものを探すだけではありません。選んだ選択肢のどの部分が本文と一致しているのか、ほかの選択肢はどこが違うのかを本文へ戻って確認します。
記述問題でも同じです。まず設問の条件を押さえ、関係する本文を見つけ、その中から答えに必要な内容を選びます。
設問で点にならないときは、正解までの過程を見る
答え合わせで○×だけを確認しても、「なぜその答えになるのか」は残りません。
特に、本文は読めている感覚があるのに得点できない場合は、次の順で自分の判断をたどると原因を見つけやすくなります。
- 設問の条件を確認する
何について、何を答える問題だったのかをはっきりさせる。 - 本文の根拠を示す
答えに関係する文や段落へ戻る。 - 自分の答えと根拠を比べる
どこまで合っていて、どこからずれたかを見る。 - 間違いの原因を分ける
本文理解、文構造、設問条件、選択肢の比較など、どの段階で判断がずれたかを整理する。
正解していた問題でも、根拠を説明できず「何となくこれだと思った」という場合は、次回も同じように正解できるとは限りません。
先生なら、答えではなく途中の判断を確認する
こうした問題を見るときは、最終的な答案だけを直して終わりにはしません。
一文の構造をどう取ったのか。その段落をどう理解したのか。設問が何を求めていると思ったのか。本文のどこを根拠にしたのか。そして、その根拠と選択肢や記述をどう対応させたのか。
この流れを口頭で説明してもらうと、本文そのものを読み違えているのか、本文は読めているのに設問へのつなぎ方でずれているのかを分けやすくなります。
一文の説明が十分にできないなら、文法や構造まで戻ります。本文の説明はできるのに設問で判断がずれるなら、設問条件や根拠との対応を見ます。
今解いている長文だけを繰り返すのではなく、原因が前にあるなら、必要なところまで戻ることが大切です。
読めているのに設問で点にならないときは、何を直すかを決める
ここまで確認すると、「長文ができない」という一つの悩みを、もう少し具体的にできます。
たとえば、本文の大意は取れるのに一文を説明できないのであれば、長文演習を増やす前に文構造を確認したほうがよいでしょう。
一方で、本文の内容も一文の構造も説明できるのに設問で間違えるのであれば、見るべきなのは設問条件と本文の根拠の対応です。
自分で原因を分けるための確認
- 間違えた設問に関係する本文を自分で見つけられるか
- その英文の構造を説明できるか
- 設問が何を求めているか言い換えられるか
- 自分の答えを選んだ根拠を本文中に示せるか
説明しにくい項目が、次に直す場所を考える手がかりになります。
覚えた例文ではなく、初見でも構造を見抜けるか
文法まで戻って確認するときも、解説された例文そのものを覚えたかどうかだけでは判断しません。
単語が変わった文や初めて見る英文でも、同じ構造を認識できるかを見ます。
長文では、練習した例文がそのまま出るわけではありません。文法事項を名前として覚えているだけでなく、実際の英文の中で使える状態になっているかが重要です。
自分だけでは「どこまで戻るか」を決めにくい場合がある
見直してみて、「設問の条件を読まずに答えていた」「本文に戻らず記憶で選んでいた」と分かるなら、まずその確認方法を直すことができます。
一方で、一文の構造を説明しようとしてもうまく説明できない、文法問題では解けるのに長文の中では文法事項を認識できない、なぜ間違えたのか自分でも説明できない、という場合は原因の位置を判断しにくくなります。
その場合は、問題数を増やす前に、実際の答案と解き方を見ながら、文法・構造・本文理解・設問対応のどこから直すかを整理する必要があります。
読んでいるのに点につながらない原因を整理したい方へ
Eng-Supportの「ブレイクスルーゼミ」は、ある程度英語に取り組んでいるものの、長文読解や英作文の得点につながらない理由を確認したい方向けの講座です。
長文問題の答案や解き方を見ながら、文構造の捉え方、文法知識の抜け、設問への対応など、どこに課題があるのかを整理します。
「本文は読めているつもりなのに、なぜ設問になると間違えるのか」が自分では分からない場合は、実際の長文問題や答案をもとに、原因を整理できます。
まとめ|「もっと読む」前に、正解までのどこでずれているかを見る
英語長文の内容は分かるのに設問で点が取れないとき、すぐに「読解量が足りない」と決める必要はありません。
まず、本当に一文の構造まで読めているのかを確認します。そこに問題がなければ、設問の条件を正しく受け取り、答えの根拠を本文中に置けているかを見ます。
原因が文法にあるなら文法まで戻る。構造にあるなら一文の組み立てを確認する。本文は読めていて設問でずれているなら、設問条件と根拠の対応を直す。
「長文が苦手」とまとめるのではなく、読めているところと、正解まで届いていないところを分けること。それが、「内容は分かるのに点にならない」状態を直すための出発点です。


