英語のケアレスミスが減らない中学生へ|「分かっていたのに」を繰り返す原因
中学生が英語を勉強していると、三単現のsを付け忘れたり、aやtheを落としたり、doesの後ろなのに動詞を原形にしなかったりすることがあります。
答えを見れば、「あ、分かってた」「これはケアレスミス」と思う。ところが、次のワークやテストでも似たところでまた間違える。
こういうミスが続いているなら、単に「注意が足りなかった」で終わらせない方がいいと思います。
ケアレスミスと言っている間は、ずっとミスが続きます。
一度だけの書き間違いまで、すべて理解不足だと言うつもりはありません。ただ、同じ種類の間違いを何度も繰り返しているのであれば、「知っているか」だけではなく、問題の条件を見たときに正しい形を自分で選べるところまで身についているかを考える必要があります。
英語では、答えを聞いたあとに「それは知っていた」と思えることと、誰にも教えられずに正しく答案へ書けることは同じではありません。
この記事では、三単現や冠詞など一つの単元だけを解説するのではなく、「分かっていたのに」と言いながら同じようなミスを繰り返すとき、どこから見直すのかを説明します。
「言われれば分かる」ミスがなぜ続くのか
間違いを指摘された直後なら、正解を言えることがあります。
「Heだからplaysだった」
「doesの後ろだからlikeだった」
「ここはaを付けるんだった」
ここまで言えると、本人には「知らなかったわけではない」という感覚が残ります。そのため、「今回はケアレスだった」と考えやすくなります。
でも、テストでは誰も「主語を見て」「doesがあるよ」「この名詞を見て」と教えてくれません。
自分で条件に気づき、その条件に必要なルールを使って答えを決める必要があります。
説明されたあとなら分かるのに、別の問題ではまた同じように間違えるのであれば、知識そのものよりも、問題の条件とルールがまだ十分につながっていない可能性があります。
ですから、私は「間違えたらケアレスミスじゃないです」というところから考えます。
繰り返すなら、「次は気をつける」で終えるのではなく、その答えを書く直前に何を判断する必要があったのかまで戻ります。
ケアレスミスと呼ぶ前に見ること
本人としては、「意味は分かっていた」「問題文も読めていた」と感じるかもしれません。
それでもs・冠詞・原形などのミスが続くなら、最初から日本語訳だけを追うのではなく、英文そのものを見ます。
訳は後回しです。
- 主語は何か
- 動詞はどれか
- be動詞の文か、一般動詞の文か
- 肯定文・否定文・疑問文のどれか
- 名詞は単数か複数か
- doesなど、後ろの動詞の形に関係する語があるか
たとえば三単現のsを付け忘れたときも、「sを忘れない」と覚えるだけでは足りません。
主語を捉えたのか。その主語が三人称単数だと分かったのか。現在形の一般動詞だと分かったのか。間違えた場所から順にたどります。
do・doesや原形の関係そのものがあいまいなら、theyではdo、he・sheなどではdoesを使い、doesの後ろを原形にする考え方を先に見直してください。
aやtheを落としたり入れ替えたりする場合も、「冠詞を忘れた」だけでは原因は分かりません。どの名詞に付くのか、その名詞をどのように捉えていたのかを振り返ります。
how muchとhow manyのような選択でも同じです。表現だけを覚えるのではなく、その後ろにどのような名詞が続いているのかを見分けます。詳しくは、how muchを後ろの名詞や文の形から判断する解説で確認できます。
単元が違っても、共通していることがあります。
問題の中から手掛かりを見つけ、その条件に合う形を選ぶことです。
ミスの直前に何を判断すべきだったか
間違い直しでは、正解を書き写して終わりにしません。
私なら先に、「この答えを書くためには、どこを見る問題だったのか」を考えます。
He play tennis. と書いた場合
playsへ直すだけではありません。主語がHeであること、現在形の一般動詞であることまで自分でたどれたかを振り返ります。
She does not likes music. と書いた場合
likesをlikeへ書き換えるだけではありません。doesがあるとき、後ろの動詞を原形にすると自分で判断できたかを確かめます。
aやtheを何度も間違える場合
冠詞だけを覚え直す前に、どの名詞に付くのか、その名詞をまとまりとして捉えていたかを振り返ります。
同じ「ケアレスミス」に見えても、原因は同じとは限りません。
- 主語そのものに目を向けていなかった
- 主語は分かったが、単数・複数を区別できなかった
- doesは分かったが、後ろを原形にするところまで結びついていなかった
- 名詞には気づいたが、aやtheを含むまとまりとして捉えていなかった
「主語を先に探す」「doesがあれば次の動詞の形を判断する」「名詞が出たら単数・複数と前に付く語まで考える」というところまで具体的にします。
似た問題でも本当に直ったか確かめる
間違えた一問を解き直して正解しても、それだけでは直ったとは言い切れません。
一度答えを見た問題なら、文そのものを覚えて答えられることがあるからです。
そこで、元の文をそのまま繰り返すのではなく、一部を変えた問題を使います。
- sのミスなら、主語や動詞を変える
- doesの後ろの原形なら、主語や一般動詞を変える
- aやtheなら、名詞や文の状況を変える
大切なのは、この3種類だけに限りません。元の問題を覚えるのではなく、答えを決める条件を変えても同じ考え方が使えるかを試します。
初めて見る文でも、「ここが主語」「doesがあるから次は原形」「この名詞には何が必要か」と自分で判断できることが大切です。
さらに、その場でできただけでは終わりません。説明された直後は内容が頭に残っているため、正解しやすいからです。
少し時間を空けて、もう一度似た問題を解いてみます。
- 間違えた内容を残す
あとから何を間違えたのか分かるようにします。 - 答えを決める手掛かりを探す
主語・動詞・名詞など、何を基準にする問題だったのかを整理します。 - 一部を変えた問題を解く
元の答えを覚えただけではないかを試します。 - 時間を空けてもう一度解く
ヒントがなくても同じ判断ができるか試します。
再発するなら基礎へ戻る
一度直して、似た問題も解けた。それでも、しばらくすると同じ種類のミスがまた出る。
その場合は、今間違えている単元だけを繰り返しても解決しないことがあります。
たとえばdoesの後ろを原形にできない場合、否定文だけの問題とは限りません。主語と動詞を区別できているか、一般動詞とは何かが分かっているかまでさかのぼる必要があることもあります。
aやtheで同じ間違いが続く場合も、冠詞だけではなく、名詞の単数・複数や名詞のまとまりまで戻った方がよいことがあります。
今の単元で間違えたからといって、原因まで今の単元にあるとは限りません。
必要なら、主語と動詞、品詞、語順など、その問題を解く前提になっている基本までさかのぼります。
- この問題では最初に何を捉える必要があったか
- そこから使うルールを説明できるか
- そのルールの前提になる内容が分かっているか
- 別の文でも同じ考え方を使えるか
うまく説明できない部分があれば、そこが復習候補です。
学校では新しい内容へ進んでいきます。しかし、その内容を理解するための基礎があいまいなままなら、「習ったはずなのにできない」「分かっていたのにまた間違えた」という形で表に出てきます。
その場合は、学年やLesson番号だけで復習範囲を決めず、必要なところまで戻った方がよいと考えます。
自分で見直すなら「ミスの名前」より次に見る場所を残す
「三単現ミス」「冠詞ミス」とだけ書いて終わると、次の問題で何を変えればよいかが分かりにくくなります。
短くてもいいので、次のように残してみてください。
- 主語を先に見る
- doesの次は動詞の形を見る
- 名詞が単数か複数かを見る
- a・theを含めて名詞を見る
「もっと注意する」より、次に確認するところを決める方が具体的です。
保護者が答案を見る場合
ご家庭で答案を見る場合も、「また三単現を間違えた」と単元名だけで捉えるより、何度かの答案に共通する間違い方を見てみてください。
家庭で文法上の原因まで特定する必要はありません。「主語を見落とすことが多そう」「名詞の前でよく間違える」と分かるだけでも、復習する場所を探す材料になります。
どこまで戻ればよいか分からない場合
難しいのは、間違いには気づけても、今の単元をやり直せばよいのか、さらに前の内容まで戻る必要があるのかを本人だけでは決めにくい場合です。
そのようなときは、新しい問題を増やす前に、学校ワークや小テスト、直近の答案などから、繰り返している間違いを整理します。
戻る場所や講座名を自分で決めてから相談する必要はありません。Eng-Supportでは、学校教材や答案など現在分かる範囲の情報から、今確認すべき内容を整理できるよう案内しています。
「ケアレスミス」で終わらせず、どこから見直すかを確かめる
基礎力徹底講座は、英語の土台に不安があり、戻る単元を確認したい場合の講座です。
単語・品詞・語順・文法・英文の基本構造を扱い、現在の学年の内容だけを追うのではなく、必要に応じて前の単元まで戻ります。
学校ワーク、小テスト、文法プリント、直近の答案などがある場合は、今どこから確認するかを考える材料になります。資料がすべてそろっていなくても、現在分かる範囲から相談できます。
ケアレスミスを減らすには「注意」だけで終わらせない
英語で「分かっていたのに」という間違いが続くと、「落ち着いて解けばできた」と考えやすくなります。
もちろん、一度だけの書き間違いもあります。
しかし、同じ種類のミスを繰り返すのであれば、私はケアレスミスという言葉だけでは終わらせません。
正解を聞けば分かるかではなく、問題の中から必要な条件を自分で見つけ、その場で正しい形を選べるかを見ます。
間違えたら、答える前にどこを見る必要があったのかを振り返る。少し変えた問題を解く。時間を空けてもできるか試す。それでも同じミスが出るなら、その判断に必要な基礎まで戻る。
「ケアレスだった」で終わらせないことが、同じ間違いを減らすための出発点です。

