過去問になると習った英文法を使えない中学生へ|文法を選べない原因と復習法
過去問になると習った英文法を使えない中学生へ|文法を選べない原因と復習法
単元別の文法問題はできるのに、高校入試の過去問になると、何の文法を使えばよいのか分からない。
「現在完了のページなら解ける」「不定詞の練習なら不定詞だと分かる」。ところが過去問では、英文を見ても何を手がかりに考えればよいのか分からず、習ったはずの文法を使えないことがあります。
この場合、英文法をすべて忘れているとは限りません。単元別問題集では最初から与えられていた「この問題では何の文法を使うか」というヒントがなくなり、自分で必要な知識を選ぶところで考え方が定まっていない可能性があります。
高校入試の過去問には、「これは受動態の問題です」「ここでは現在完了を使います」といった単元名は書かれていません。
目の前の英文を見て、主語・動詞・品詞・語順などから構造を確認し、そのうえで必要な文法知識を自分で選ぶ必要があります。
ですから、単元別問題集をもう一冊最初から解けば必ず解決する、というものでもありません。
必要なのは、知識を増やすことだけではなく、初めて見る英文のどこを見て、どの知識を使うのかを見分ける練習です。
この記事では、高校入試の過去問全体の進め方ではなく、「習った英文法はあるのに、単元名のない過去問になると必要な文法を選べない」という状態に絞って、何を確認し、どこまで戻って勉強すればよいのかを説明します。
問題集ではできるのに過去問では文法を選べない理由
単元別の文法問題集には、大きなヒントがあります。
それは、今どの文法を使う問題なのかが、ページを開いた時点である程度分かっていることです。
たとえば「現在完了」のページを解いているなら、英文を読む前から現在完了を使う可能性が高いと分かります。「不定詞」の練習問題であれば、to+動詞の原形を意識して問題を見ることができます。
文法の基本を身につける段階では、このような単元別の練習も必要です。
ただし、それだけを続けていると、文法知識が単元ごとに分かれたままになることがあります。
- 現在完了のページなら現在完了を使うと分かる
- 受動態のページならbe動詞+過去分詞を探せる
- 比較のページなら比較級・最上級を意識できる
- 不定詞のページならto+動詞の原形に注意できる
- 単元名が書かれていない英文では、どこを見るべきか決められない
この状態では、「文法を知らない」というより、知っている文法の中から、その英文に必要な知識を選ぶところがまだ定着していません。
過去問では、「現在完了を習ったか」「不定詞の形を覚えているか」を確認するだけではなく、目の前の英文から使う知識を選ぶ必要があります。
過去問には単元名のヒントがない
学校のワークや問題集では、「助動詞」「不定詞」「比較」など、学習する単元が整理されています。
一方、高校入試の過去問では、それまで習ってきた内容が混ざって出てきます。
しかも、一つの英文を考えるときに必要なのは、一つの単元だけとは限りません。
主語を確認し、動詞を見つけ、動詞の形や時制を見て、その後ろに何が続いているのかを確認する。設問によっては、さらに品詞や語順まで考える必要があります。
単元別問題:この文法を使って解く。
過去問:この英文には、今まで習ったどの知識が必要なのかを自分で選んで解く。
ですから、過去問を間違えたときも、答えを覚えたり、解説を読んで納得したりするだけでは十分とは言えません。
確認したいのは、「なぜこの問題で、その文法を使うと考えたのか」を自分の言葉で説明できるかです。
まず答えではなく「どこを根拠に選んだか」を確認する
誤答を見たとき、正解だけを確認すると、本当の原因が分からないことがあります。
たとえば、不定詞に関係する問題を間違えたとしても、原因が不定詞そのものとは限りません。
動詞がどれか分かっていないために文の骨組みを取り違えていたのかもしれませんし、動詞の後ろにある語が名詞なのか、形容詞なのか、副詞なのかを考えずに形だけで選んでいたのかもしれません。
そこで、まず「なぜその答えを選んだのか」「英文のどこを見たのか」を確認します。
根拠を説明できれば、その文法知識自体はある程度使えています。正解していても「何となく」「見たことがあるから」で選んでいる場合は、別の英文でも同じように選べるかを確認します。
まず英文の構造から考える
何の文法を使えばよいか分からないとき、最初から日本語訳を完成させようとすると、かえって英文の形が見えにくくなることがあります。
Eng-Supportでは、訳を急ぐ前に英文の構造を確認します。
- 主語はどこか
- 動詞はどこか
- 動詞はどのような形になっているか
- 動詞の後ろには何が続いているか
- それぞれの語が何詞として働いているか
- 修飾している語と、文の骨組みになる語を分けられるか
もちろん、最終的には英文の意味も取らなければなりません。
しかし、文法を考える段階では、日本語訳だけに頼るのではなく、英語を英語の語順のまま見ることが大切です。
まず主語と動詞を押さえ、必要なら修飾語をいったん分けます。そのうえで、動詞の形や、その後ろに続く語の働きを確認します。
単元名のない英文では、見る順番から文法を絞る
My father wants me to study English.
この英文を見たときも、最初から文法用語を当てようとするのではなく、まず主語はどこか、動詞はどこかを確認します。
そのうえで、動詞の後ろにどのような語が続いているかを見ます。こうして文の骨組みを確認すると、どの知識を使って考えればよいかを絞りやすくなります。
ここで大切なのは、この一文の形をそのまま暗記することではありません。
単語や主語が変わった別の英文でも、同じように主語・動詞・その後ろを見ることができるかを確認します。
文法単元の名前を思い出してから英文を見るのではなく、英文の形を確認した結果として、必要な文法へたどり着くという順番です。
誤答したら、どの前提知識へ戻るかを確認する
過去問を間違えたら、その問題だけをもう一度解いて終わりにはしません。
「何を間違えたか」だけではなく、「なぜその文法を選べなかったのか」を確認します。
文法単元の問題以前に、文の骨組みを正しく取れているか確認します。修飾語を含めて全部を一続きに読んでいないかも見ます。
時制、助動詞、受動態など、その動詞がなぜその形になるのかを確認します。形だけを暗記していないかも見ます。
不定詞や動名詞だけを見るのではなく、その前の動詞の使い方や、後ろに置かれている語の働きまで確認します。
その語が名詞・形容詞・副詞など、文の中でどのような働きをしているのかまで戻ります。
比較級・最上級の形だけではなく、文の中で何と何を比べているのかを確認します。
表面に出ている文法単元だけを復習すればよいとは限りません。
不定詞の問題を間違えていても、原因が文の骨組みや品詞の理解にあるなら、そこまで戻る必要があります。
今取り組んでいる単元が原因とは限らない
「不定詞を間違えたから不定詞のページをやり直す」という復習だけでは、同じ間違いが繰り返されることがあります。
その問題を解く前提となる文法があいまいなら、必要なところまで戻ります。
これは、中学英語を最初から全部やり直すという意味ではありません。
その誤答がどこから生まれたのかを逆向きにたどり、必要な前提ルールまで戻るということです。
繰り返すミスを「ケアレスミス」で済ませない
一度だけの書き間違いであれば、単純なミスの場合もあります。
しかし、主語が変わるたびに動詞の形を間違える、語順が変わると助動詞の後ろの形を間違える、といったことが繰り返されるなら、「ケアレスミス」で済ませず、前提となるルールの理解や定着を確認した方がよいでしょう。
問題数を増やす前に、本人が英文のどこを見て、何を根拠に答えを選んでいるのかを確認します。
文法を選べるか確かめるために、基礎から過去問へ戻る
必要な単元へ戻ったあと、その単元の問題だけが解けるようになっても、今回の課題が解決したとは限りません。
確かめたいのは、単元名のヒントがなくても、自分で必要な知識を選べるかです。
-
過去問を1問解く
正解・不正解だけでなく、英文のどこを見て考えたかを確認します。 -
選んだ根拠を説明する
「なぜその答えにしたのか」を言葉にします。 -
必要だった文法を特定する
問題に必要だった知識と、あいまいだった前提知識を分けます。 -
必要な単元や前提ルールへ戻る
主語・動詞、品詞、語順などが原因なら、その内容まで戻ります。 -
単語や形を変えた類題を解く
元の例文や答えそのものを覚えただけになっていないかを確認します。 -
単元名のない過去問でもう一度確かめる
英文の構造から必要な文法を自分で選べるかを見ます。
類題まで解けたら、最後に単元名のない問題へ戻ります。そこで同じ考え方を使えるかまで確認します。
「とにかく過去問の問題数を増やす」のではなく、1問の誤答から、英文のどこを見落としたのか、どの知識を選べなかったのかを確認することが先です。
自分で確認できることと、先生が診断するところ
家庭で見直す場合は、まず次のところまで確認してみてください。
- 英文の主語と動詞を探す
- 動詞がどのような形になっているかを見る
- 動詞の前後にどのような語が置かれているかを見る
- 答えを選んだ根拠を言葉にする
- 説明できない部分があれば、該当する基礎を確認する
ここまで行っても自分だけでは分けにくいのが、「どの単元まで戻ればよいのか」という部分です。
たとえば、不定詞の問題を間違えた場合でも、不定詞そのものではなく、主語と動詞の取り方、品詞、動詞の使い方などに原因があることがあります。
先生が見るのは、正解したかどうかだけではありません。「どこを見てその答えを選んだのか」「別の単語に変わっても同じ考え方ができるのか」を確認し、必要なら今取り組んでいる単元より前の基礎まで戻ります。
なお、PROGRESSなどの教材を使っている場合も考え方は同じです。基礎教材で学んだ内容と、単元名のない過去問でその知識を自分で選ぶことは別の段階です。
PROGRESSを使用している方は、教材そのものの特徴についてはPROGRESS IN ENGLISH 21の特徴と学習の進め方も参考にしてください。この記事の中心は教材の使い方ではなく、基礎で学んだ文法を過去問の中で選べるようにすることです。
過去問の誤答から、戻るべき文法を確認したい方へ
自分で見直していても、「不定詞を間違えたから不定詞を復習すればよいのか、それとももっと前の基礎へ戻るべきなのか分からない」ということがあります。
また、解説を読めば理解できても、単語や語順が変わると同じ文法を選べない場合は、答えを覚える復習だけでは十分ではありません。
Eng-Supportの過去問演習講座では、過去問を解いた結果から、次に補う必要がある内容を確認します。
過去問だけを続けるのではなく、誤答の原因に応じて基礎文法や語彙へ戻り、必要な内容を確認したうえで、再び過去問で使えるかを見ていきます。
これまで身につけてきた基礎の上に過去問演習を積み上げたい方や、過去問を中心に勉強しながら必要な基礎へ戻りたい方は、講座内容をご確認ください。


