英文法の用語が分からない中学生へ|主語・目的語・品詞から整理
「目的語はどれ?」「これは副詞です」「この動詞は他動詞です」と説明されたところで、急に授業が分からなくなる。
英文そのものよりも、説明に使われる文法用語が分からず、その後の話まで理解しにくくなっている中学生はいます。
この場合、目的語・補語・他動詞・副詞といった言葉を、さらに別の文法用語で定義して覚えようとしても、なかなか整理できません。
先に見るべきなのは用語の名前ではなく、その語が英文の中で何をしているかです。
たとえば「副詞とは動詞・形容詞・副詞などを修飾する語です」と説明されても、「修飾する」という意味が曖昧なら、その説明だけでは理解できません。
「目的語は他動詞の目的となる語です」と言われても、今度は「他動詞」が分からないことがあります。そこで他動詞を調べたら「目的語を取る動詞」と書かれている。これでは、目的語と他動詞の間を行き来するだけになってしまいます。
Eng-Supportでは、このような場合に文法用語の定義から先に覚えるのではなく、短い英文を見て、まず主語はどれか、動詞はどれか、その後ろの語は何をしているかを確認します。
役割が見えてから、「これを目的語と言う」「この働きをする語が副詞」と文法用語を結び付けます。
- 文法用語が分からないと、なぜ学校の説明そのものが理解しにくくなるのか
- 主語・目的語・補語を、定義の暗記ではなく英文から見る方法
- 形容詞・副詞などの品詞を、文中の役割から考える方法
- 自分で説明できるところまで理解できているかを確かめる方法
- 今習っている単元より前へ戻った方がよい場合の見分け方
文法用語が分からないまま授業が進むと何が起きるか
英文法の授業では、学年が進むにつれて説明の中に文法用語が増えていきます。
最初は「be動詞」「一般動詞」程度だったものが、「名詞」「形容詞」「副詞」「目的語」「補語」「自動詞」「他動詞」「文型」へとつながっていきます。
ここで困るのは、一つの用語だけが分からないことではありません。その用語を知っていることを前提に、次の説明が始まることです。
- 形容詞とは何か
- 補語とは何か
- 主語とは何か
- be動詞の後ろの語をどう見るのか
このうち複数が曖昧なら、「補語」という言葉だけを覚えても、説明全体はつながりません。
その状態で学校の授業だけが先へ進むと、「品詞の所はよく分からないから飛ばす」という勉強になりやすくなります。
しかし、その後の授業でも「これは形容詞」「ここは副詞」「この動詞は目的語を取る」といった説明は使われます。分からない用語を飛ばすたびに、その先の説明まで聞き取りにくくなっていきます。
このとき、「今習っている単元が苦手なのだ」と決めつけないことが大切です。
現在の問題で間違えていても、原因がもっと前の主語と動詞の見分け方や、名詞・形容詞・副詞の理解にあることがあります。その場合は、今の単元だけを繰り返しても同じ迷い方が残ります。
問題数が多い教材でも、答えを埋めることだけを優先すると、「なぜその答えになるのか」を説明できないまま先へ進むことがあります。
PROGRESSでの学習についても、PROGRESSで授業や宿題についていきにくくなる理由と学習の進め方で、問題を終えることだけでなく理解の状態を確認する考え方を整理しています。
名前より先に「何をしている語か」を見る
文法用語がよく分からない生徒に、最初から新しい用語を重ねて説明すると、説明そのものが新しい暗記になります。
そこで、まず短い英文を使います。
- Tom:誰の話をしているか
- plays:Tomが何をするか
- tennis:何をするのか、その対象
この段階で、S・V・Oという記号から始める必要はありません。
「誰の話?」「何をする?」「何を?」と、英文の中でそれぞれの役割を確認します。
それが分かってから、Tomを主語、playsを動詞、tennisを目的語と呼ぶ、と名前を付けます。
先生が確認するところ:「目的語」という言葉だけが分からないのか、それとも「動詞の対象になっている語を探す」という見方自体が分からないのかで、戻って確認する内容は変わります。
訳は後回しにして、まず英文の骨組みを見る
英文を見ると、すぐ日本語に訳そうとする生徒もいます。しかし、文法を整理するときは、訳より先に構造を見る方が分かりやすい場合があります。
この文には、学校へ、バスで、昨日、という情報が入っています。
それらをいったん横に置いて見ると、中心にあるのはNancy went.です。
「Nancyが」「行った」という骨組みに、場所・手段・時間の情報が加わっています。
こうして主語と動詞を先に見ると、「動詞の後ろに単語がたくさんあるから、全部目的語」といった見方をしにくくなります。
near・far・far fromを品詞から整理する解説でも、単語の日本語訳だけではなく、英文の中でどのように使われているかを見る必要があります。
主語・目的語・補語は、定義より例文の役割から見る
「主語」「目的語」「補語」は、定義だけを並べられると違いが分かりにくい用語です。
学校で「ここは目的語」「これは補語」と説明されても、その違いが分からないなら、用語をもう一度読むだけでは整理できないことがあります。
まず、後ろにある語が英文の中で何をしているかを比べます。
主語は「誰・何についての文か」から確認する
- Mary:この文で話題になっている人
- studies:Maryがしていること
- English:studiesの対象
この文ではMaryが主語です。
「主語はS」と記号だけで覚えるのではなく、「この文では誰・何について話しているか」を先に確認します。ここで迷うのであれば、「主語」という言葉を覚え直す前に、英文の中から「誰が・何が」に当たる部分を見つけられるかを確認します。
目的語は「動作の対象」になっているかを見る
- Lucy:主語
- likes:動詞
- music:likesの対象
musicはLucyがどのような人かを説明しているわけではありません。likesという動詞の対象です。このような語を目的語と呼びます。
ここまで確認したあとであれば、「目的語を取る動詞を他動詞と呼ぶ」という説明もつながりやすくなります。
反対に、目的語が何か分からない段階で「他動詞とは目的語を取る動詞」とだけ覚えても、実際の英文では判断しにくいままです。
補語は主語が「どんなもの・どんな状態か」を説明する
- I:主語
- am:動詞
- busy:Iがどのような状態かを説明
busyは何かに動作をする対象ではありません。「Iがbusyな状態だ」と主語を説明しています。このような働きをする語を補語と呼びます。
- Lucy likes music. → musicはlikesの対象になっているか
- I am busy. → busyはIの状態を説明しているか
この違いが言えない場合は、「目的語とは」「補語とは」という定義をさらに覚える前に、動詞の後ろにある語が何をしているかを見直します。
また、主語によってbe動詞が変わるところ自体が曖昧なら、目的語・補語の説明より前まで戻る必要があります。am・is・areからwas・wereへの変化を主語ごとに確認する解説のように、まず主語と動詞の対応を整理した方がよい場合があります。
品詞は文中の役割と結び付けて考える
「品詞の所は飛ばしちゃう」という勉強をしていると、学校の説明に「形容詞」「副詞」と出てくるたびに、その部分だけ意味が分からなくなります。
特に形容詞と副詞は、名前だけを覚えても区別しにくいところです。
「形容詞と副詞で何が違うという説明を受けたことがない」という状態なら、語尾の暗記よりも、その語が何を説明しているかを先に見ます。
形容詞は名詞などの様子を説明する
driverは名詞です。その名詞の様子を説明しているcarefulは形容詞です。
副詞は動作などを詳しくする
この場合、carefullyは副詞です。
ここで確認したいのは、carefulとcarefullyの語尾を覚えたかどうかだけではありません。
どの語を説明しているのかを自分で探せるかを見ます。
- 判断したい語を見つける
- その語が何を説明しているか探す
- 名詞などの様子を説明しているなら、形容詞を考える
- 動作などを詳しくしているなら、副詞を考える
- 最後に「形容詞」「副詞」という名前を結び付ける
先生が確認するところ:「副詞の定義を忘れた」のか、それとも「その語が何を説明しているかを見る習慣がない」のかを分けて考えます。後者であれば、用語を覚え直すだけでは十分ではありません。
単語の位置だけで品詞を決めるのも注意が必要です。実際の英文で、どの語にどのような情報を加えているのかを見なければ判断できないことがあります。
だからこそ、単語ごとに「これは形容詞」「これは副詞」と一覧だけで覚えるのではなく、短い英文の中で役割を確認する必要があります。
用語を使って自分で説明できるかを確認する
文法用語は使わなくてよいものではありません。
学校の授業や教材でも使われますし、理解した内容を短く整理するときには便利です。
ただし、用語を言えることと、その英文を理解できていることは同じではありません。
- 誰についての文か → She
- 動詞はどれか → plays
- playsの対象は何か → tennis
- tennisの役割は何か → 目的語
- wellは何を詳しくしているか → plays
- wellの品詞は何か → 副詞
ここまで自分で説明できれば、「目的語」「副詞」という言葉が、意味の分からないラベルではなくなってきます。
例文そのものを覚えたのではないかも確認する
一度説明を受けた英文だけ答えられても、それだけで理解できたとは判断しません。
この文でcarefullyが副詞だと分かったあと、別の英文でも同じ見方ができるか確認します。
slowlyについても、「speaksという動作を詳しくしているから副詞」と説明できるかを見ます。
例文をそのまま覚えたのではなく、単語が変わっても同じ見方ができるか。初めて見る英文でも、主語・動詞や語の役割を探せるか。
ここで迷うのであれば、「副詞の問題をもっと解く」と決める前に、何を説明している語なのかを探すところから確認する必要があります。
こうして例文を変えて確認すると、覚えた例文だけに答えているのか、別の英文でも同じ考え方を使えるのかが分かります。どの部分までは理解できていて、どこから曖昧になっているのかを見る材料にもなります。
家で確認できることと、先生が確認したいこと
文法用語が苦手な場合、家庭で「目的語の定義を言ってみて」と確認すると、暗記できているかどうかだけを見ることになりがちです。
家庭では、短い英文を一つ使って次のように確認すると、どこから分からなくなっているのかを見つけやすくなります。
- 誰・何についての文か
- 動詞はどれか
- 動詞の対象になっている語はあるか
- 主語の様子や状態を説明している語はあるか
- どの語がどの語を詳しくしているか
- その判断の理由を自分の言葉で言えるか
ここで答えにくいところがあれば、そこが学び直す候補になります。
ただし、「目的語が分からないから目的語のページを読む」とは限りません。
そもそも動詞を見つけられていないのか、名詞が分からないのか、「動作の対象」という見方が分からないのかによって、確認する場所は違います。
先生が見るのは、間違えた単元名だけではありません
同じ文法用語で何度も迷う場合、先生側では「今どの単元を習っているか」だけでなく、その説明を理解するための前提がどこまで分かっているかを確認します。
たとえば副詞が分からないなら、副詞の定義だけを教え直すのではなく、「その語が何を説明しているか」を見られるか確認します。
目的語で迷うなら、目的語という名前より先に、主語と動詞を見つけ、その動詞の対象を探せるか確認します。
そこで前提が曖昧なら、学校で今扱っている単元にこだわらず、必要なところまで戻ります。
「今の問題をもう一度やればよい」と決めるのではなく、どの説明から意味がつながらなくなっているのかを逆向きに確認することが大切です。
Eng-Supportの基礎力徹底講座では、単語・品詞・語順・文法・英文の基本構造など、英語の基礎を整理します。
この記事で確認したように、自動詞・他動詞や名詞・形容詞・副詞といった言葉で迷う場合も、今の単元だけに限定せず、どの前提から確認する必要があるのかを見ることが大切です。

